遠藤周作文学館人気上々 長崎市 昨夏改装「思索空間」心つかむ 「沈黙」イメージ…窓に角力灘、音楽や書籍 [長崎県]

思索空間アンシャンテでは、外海の眺望が満喫できる
思索空間アンシャンテでは、外海の眺望が満喫できる
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館内の本棚には「沈黙」や「死海のほとり」など約100冊の本が並ぶ
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 かつて潜伏キリシタンが多く暮らした長崎市東出津町にある遠藤周作文学館が、昨夏のリニューアル以来、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録も相まって来館者を伸ばしている。人気のコーナーは、隣接する喫茶店を改装した「思索空間アンシャンテ」。代表作「沈黙」をイメージしたつくりが、ファンをはじめ幅広い世代の心をつかむ。

 空間に踏み入れると、ガラス窓の向こうに青い角力灘(すもうなだ)が広がり、木管楽器パンフルートの即興曲「グレゴリアンの調べ」が流れる。遺品の中のレコードにあった曲だ。

 遠藤作品を中心に約100冊の本が置かれ、カウンター席やソファで手にする来館者の姿も。広さ約120平方メートル。木目調の壁が心を落ち着かせる。「忙しい生活から少し離れて、ゆっくりと時間を過ごしてほしい」。遠藤の遺族が、この地を訪れる人たちに願った思いを具現化している。

 信者の暮らしを撮り続けて35年になる写真家の吉永友愛さん(74)。文学館には何度も来ており、新しくできたこの空間もお気に入り。「心が洗われるような気持ちになれる」と表現する。初めて子どもと訪れた30代主婦は窓の外を眺め「近所なので見慣れた景色だけれど、改めて雄大さに感激した」。感性を揺さぶる何かがこの空間にはある。

 文学館の2016年度の来館者数は2万442人、17年度は2割増の2万4335人。世界遺産に登録された18年度は、15日現在で既に前年度を29人上回っている。以前は高齢者の来館が多かったが、リニューアル後は外国人観光客や家族連れも増えている。文学館は「文学や人生、さまざまなことに思いを巡らせませんか」と呼び掛ける。遠藤周作文学館=0959(37)6011。

=2019/03/26付 西日本新聞朝刊=

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