プレ金まだら発進 能率上げて早帰り 繁忙の月末は無理

デパートの地下に登場したプレミアムフライデーの限定バー=24日午後3時すぎ、福岡市・天神
デパートの地下に登場したプレミアムフライデーの限定バー=24日午後3時すぎ、福岡市・天神
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多くの職員が退庁し、静まり返った北九州市役所=24日午後3時15分ごろ
多くの職員が退庁し、静まり返った北九州市役所=24日午後3時15分ごろ
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 プレミアムフライデー(プレ金)が始まった24日、一部の企業は社員に午後3時の退勤を推奨した。ただ、仕事を早く切り上げた人は多くはなかった。働き方改革も狙った取り組みだが、定着には時間がかかりそうだ。

 大和ハウス工業(大阪市)は、正午までの4時間勤務を推奨した。福岡支社(福岡市)の石田優子さん(61)は、久留米支店の同僚と福岡市・天神でゆっくり昼食を楽しんだ。「会社全体で呼び掛けたので休みが取りやすかった」と話す。

 西日本鉄道(同)ビル事業部の女性係長(34)と部下の女性(27)は、午後3時半に退勤。係長は大分市に帰省し、部下の女性は母親と天神で買い物をした。社員2人は「早く帰る目標があったので仕事の能率も上がった」と口をそろえる。

 安川電機(北九州市)は市内で陸上教室を開き、リオデジャネイロ五輪男子マラソン代表の北島寿典さんらと社員24人がジョギング。参加した谷川哲也さん(45)は「社員同士の交流が深まった」と笑顔を見せた。

 だが、人手不足や月末が忙しい職場は冷めている。

 プレ金の旗振り役である経済産業省の出先、九州経済産業局(福岡市)。総務課の春口浩子係長(41)は東京の友人と、近場に1泊の温泉旅行へ。その一方、窓口業務など「早く帰れない部署もある」(担当者)ため、3時以降も仕事を続ける職員が目立った。

 早帰りを推奨する九州電力は午後3時半から、原発に関する記者会見を急きょ開催。手続き上、会見の前倒しは無理だったという。ある幹部は「電力会社は保安業務もある」と、取り組みに厳しい見方を示す。

 午後3時に窓口を閉める銀行の店内でも、行員がいつものように業務を続けた。「1カ月の中で、最終週の金曜日はベスト3に入る忙しい日。実施は難しい」と福岡銀行の柴戸隆成頭取。労働時間の抑制は、別の形で取り組むと説明する。

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■昼間から居酒屋 温泉でゆっくり

 「プレ金」初日の24日、九州の商業施設や飲食店、ホテルなどでも、さまざまな企画を用意し、サラリーマンや家族連れを待ち構えた。盛り上がった企画もあれば、空振りも。“官製花金”の効果は未知数だが、街にはいつもと違う午後の風景が見られた。

 午後3時すぎ。北九州市役所の産業経済局では多くの職員が次々と退庁し、フロアは閑散とした状態になった。男性職員(37)=同市八幡東区=は、繁華街の居酒屋へと一直線。笑顔で乾杯し「明るいうちから飲めるのは幸せ。職場外の人とも交流できた」。市の呼び掛けに応じた飲食店や商業施設計51店舗が特別メニューや割引を導入し、官民一体で盛り上げを図った。

 福岡市の4百貨店も共同でプレ金をPRした。岩田屋では、大人の「学び」をテーマにワイン専門家によるセミナーを開催。男女11人が解説に耳を傾けながらワインを味わった。福岡三越では、お酒が楽しめる「デパ地下BAR」が会社員グループなどでにぎわった。同店の松尾亮さん(34)は「客足は想像以上」とほっとした様子だった。

 大分市のJR大分駅ビル内にある温泉施設「シティスパてんくう」は「癒やし」の提案。入浴料プラス400円でエクササイズのホットピラティスが体験でき、男女10人が汗を流した。大分県別府市の会社員堤和久さん(28)は「ゆっくりした時間は気持ちいい」。施設側は「効果は未知数だが、普段と違う時間の過ごし方が広がれば」と話した。

 一方、空振りの所も。長崎県佐世保市のハウステンボス内にある「ウォーターマークホテル長崎」は、午後6時以降のチェックインで通常料金より1人当たり千円安い特別プランを用意したが予約はゼロ。福岡などからの利用を見込んでいた担当者は「九州の企業ではまだ浸透していないのかも」と苦笑い。それでも特別プランは当面継続し、来月以降に期待を寄せる。

=2017/02/25付 西日本新聞朝刊=

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