技術、美術の教員いない 福岡の複数中学、2ヵ月授業ゼロも こま数少なく非正規を敬遠?

 福岡県内の複数の中学校が、技術や美術の教員がゼロのまま新学期を迎えたことが分かった。始業から2カ月近く経過しても確保できず、授業ができない学校も。授業数が少なく非正規雇用が多いため、なり手が敬遠する傾向があるとみられる。県教育委員会は「何とか年度内に確保し、学習指導要領上の授業数を行えば生徒の進級に問題はない」としているが欠員はここ数年、慢性化しており、学校現場では不安が広がる。

 「探しても探しても見つからない」。技術の教員がいない県内のある中学校で関係者は頭を抱える。

 昨年度、授業は教員採用試験に合格していない講師が受け持った。本年度も3月下旬の人事異動内示で、技術教員が確保されないと判明し、校長の呼び掛けで各教員が探し始めたが見つからずじまい。授業時間はやむなく、家庭科で埋めている。「いつから授業すると?」。生徒からそんな声も上がる。「必要な教員を確保するのは本来、県教委の役割。しわ寄せが現場に来ている」。教員の一人は不満を隠さない。

 別の中学校も年度当初、美術の教員が不在。退職者などのつてを口コミで頼り4月中に見つけ出したものの、教員免許の期限が切れていた。本人は「失効を知らなかった」。免許の更新まで1カ月以上、待った。

 県教職員組合によると、同様の欠員状態はここ数年の傾向という。ある中学校では昨年度、美術の授業を始めたのは6月ごろ。期末試験を遅らせたものの採点が間に合わず、1学期の生徒の通知表は美術の評価が空白だった。

 学習指導要領に定められた授業数は、英語などが週に4こま(1こま50分)であるのに対し、美術や技術は週1こま程度。こうした専門教員は小規模校ほど受け持つ授業数が少なくなるため、非正規雇用になりがちという。結局、講師が複数校の授業を掛け持ちするケースも少なくない。

 学校現場は大量定年時代を迎えており、他の教科でも教員不足が続く。県教委は昨年度、教育職員免許法に基づき、ある中学校で専門外の教員に臨時免許を与え、技術の授業を乗り切った。教員の一人は「専門外の人では、まともな授業は難しい」と批判する。

 県教委教職員課は「不安定な非正規雇用を避ける人も多いとみられる。今後はこうした教科でも正規採用者を増やす」としている。

=2017/06/01付 西日本新聞朝刊=

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