3000人、被災地の力に 九州豪雨 地元球児、地震被災者、外国人、恩返しのボランティア

炎天下で、ボランティア活動する女性=15日午後、福岡県朝倉市三奈木
炎天下で、ボランティア活動する女性=15日午後、福岡県朝倉市三奈木
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 3連休に入り、九州豪雨の被害を受けた福岡県朝倉市、東峰村、大分県日田市などには、復旧作業のために約3千人のボランティアが駆け付けた。地元の高校生、熊本地震の被災地の人たち、日本で暮らす外国人…。共通するのは「恩返ししたい」という思い。被災者が少しでも前向きになれるようにと、うだるような暑さの中、民家や庭などにたまった土砂を懸命にかき出した。

 分厚く積もる土砂、大量に舞う土ぼこり、鼻を突くにおい。地元の朝倉高野球部の生徒40人は朝倉市杷木古賀の住宅地で、土砂の撤去作業に取り組んだ。二手に分かれ、民家にたまった泥をスコップでかき出す。「練習よりきついばい」「暑か」。生徒たちは、くるぶしまで泥に埋まり、練習着は泥だらけになった。

 夏の大会は3回戦で敗退。新チームになって初めての活動がボランティアになった。「いつも応援してくれるので、どうしても恩返ししたかった」と主将の江上隼矢さん(16)は汗をぬぐった。

 熊本県宇城市職員の吉崎奨馬さん(22)は同僚5人と同市板屋地区の民家で土砂の撤去作業にあたった。6人は床上浸水した民家の床板や畳を外したり、たんすを動かしたりした後、スコップで土砂をかき出した。「腰を曲げ続けての作業。想像以上に大変です」

 熊本地震で1300戸以上が全半壊するなどの被害を受けた宇城市。吉崎さんは「熊本地震では、ボランティアや支援物資などで本当に助けられた。今度は自分たちが支える番だと思っている」。市職員は16日もボランティアに参加する予定だ。

 猛暑日となった日田市では、前日の2倍以上の601人が作業に当たった。九州北部豪雨や熊本地震の災害ボランティアにも参加したという鐘江徳光さん(72)=北九州市八幡西区=は「家にじっとしているよりは、人のためになりたいと参加した」。

 外国人の姿もあった。東京都在住の中国人李孝宗さん(37)は知人と2人で参加。「16年前に来日して以来、ずっと日本に住んでいる。日本に恩返ししたい」と話した。

 14日は86人だった東峰村も、15日は6倍以上の577人が参加。畳の上に50センチの土砂が積もる同村福井の熊谷正元さん(41)の自宅では約10人がボランティア作業にあたった。親族3、4人では遅々として進まなかった片付けが一気に進んだ。「うれしいですね。生まれ育った大切な家なんです」。熊谷さんに笑顔が戻った。

=2017/07/16付 西日本新聞朝刊=

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