豪雨農地復旧めど立たず 被害2000件、対応職員不足 朝倉市

柿農園に流入した土砂の深さを測る朝倉市職員=22日午後、福岡県朝倉市杷木志波
柿農園に流入した土砂の深さを測る朝倉市職員=22日午後、福岡県朝倉市杷木志波
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 九州豪雨で被災した福岡県朝倉市で、農地や水路などの復旧の遅れが心配されている。復旧工事費の公的補助に必要な調査が進んでいないためだ。担当職員の不足が主な理由で、調査を終えた被害箇所は全体の2割に満たない。補助費の手続きが遅れると、作物を栽培できない農地が放置される可能性もある。

 朝倉市によると、被害の連絡を受けた農地、農道、水路、ため池などは22日時点で1409件。最終的には、2012年の九州北部豪雨の2倍に相当する2千件を超えるとみられる。

 市の担当職員は被害箇所を確認し、復旧工事費の概算を含めた報告書を作成。国や市の補助対象となるかを判断する。工事費が40万円以上の場合は国の補助対象で、激甚災害指定を受けているため、農家の負担は数%の見通し。40万円未満の場合は、市が3割以内を補助する。

 22日までにまとまった報告書は約300件。市は9月上旬までに全ての報告書の作成を目指しているが、達成は難しい。

 被害調査を担当する職員は3人。市職員OBや国、県からの派遣職員を加え、8月中旬から20人弱で作業をしているが、1日に作成できる報告書は6、7件が精いっぱい。被害は広範囲で、道路が寸断されている地域では移動に時間がかかる。調査に立ち会う農家との調整も必要だ。

 市農林課の武田円三課長は「よその自治体に応援を頼んでいる状況で、職員が圧倒的に足りない。水稲や果樹の収穫が一段落する秋に復旧工事を本格化したいが、着工できる箇所は多くないだろう」と話す。

 柿農園の面積の3割が土砂流入などの被害を受けた稲葉章知さん(60)=同市烏集院=は「生産力の低下が続けば経営が厳しくなる」と早期復旧を望んでいる。

 九州北部豪雨では、農地の復旧に最長で3年かかった。公的補助が受けられないまま、長い期間放置された農地もあったという。

=2017/08/24付 西日本新聞朝刊=

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