有明海クラゲ不漁 九州豪雨高級食材にも影響? 6割減佐賀の漁業者苦境

有明海で水揚げされた重さ20キロのビゼンクラゲ(佐賀県有明海漁業協同組合提供)
有明海で水揚げされた重さ20キロのビゼンクラゲ(佐賀県有明海漁業協同組合提供)
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 佐賀県などの有明海で、中華料理の高級食材として取引されているビゼンクラゲの漁獲が激減している。タイラギなどの不漁を補う救世主として位置付けられていたが、今季は前年と比べて4割程度に落ち込んでいる。専門家は九州豪雨による影響を指摘しており、思わぬ「二次災害」に漁業者は頭を抱えている。

 同県太良町の県有明海漁業協同組合大浦支所によると、ビゼンクラゲは毎年、有明海に大量発生し、海の厄介者扱いだったが、5年ほど前から中国の「爆買い」が急増。特に脚は1キロ200~300円と高額で取引され、夏場の漁の主役となっていた。2015年には最大の漁獲を記録、支所の累積赤字を一掃したという。16年は傘189トン、脚144トンだった。

 ところが、今季は7月5日の漁解禁後、刺し網に全くかからなかったり、死んでいたりと状況が一変。同日起きた九州豪雨により大量の流木も流れ込み、漁船の航行に支障を来したこともあり、漁獲は傘84トン、脚58トンと前年の半分以下に減った。下田貴利支所長は「今期は赤字に転落するかもしれない」と危ぶむ。

 有明海の生態系に詳しい佐賀大低平地沿岸海域研究センター(佐賀市)の藤井直紀特任助教(生物海洋学)は「九州豪雨で大量の淡水が有明海に流れ込み、比重の大きい海水が海底に滞留。貧酸素状態が続きクラゲが死滅したほか、有明海南部の熊本や長崎県島原市沖に流された」と指摘する。

 一方、九州豪雨の前から死んだクラゲが目立っていたとの報告もあり、水産研究・教育機構西海区水産研究所(長崎市)は「ビゼンクラゲは30年ほど前にも、急増後に激減したことがある。周期的な問題と関係している可能性はあるが、生態は未解明な部分が多く、はっきりした原因は分からない」としている。

=2017/08/24付 西日本新聞朝刊=

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