西日本新聞電子版 1周年記念プレゼント

鹿児島ジャズ文化守れ 名盤や設備移設へネット募金

40年にわたり鹿児島のジャズ文化を育んだジャズ喫茶「門」店主の日高征さん=鹿児島市
40年にわたり鹿児島のジャズ文化を育んだジャズ喫茶「門」店主の日高征さん=鹿児島市
写真を見る
「門」に設置された、迫力のサウンドで客を酔わせるアルテック社の大型スピーカー
「門」に設置された、迫力のサウンドで客を酔わせるアルテック社の大型スピーカー
写真を見る

 鹿児島市の玄関口・JR鹿児島中央駅近くにある老舗ジャズ喫茶「門」が29日の営業を最後に約40年の歴史に幕を下ろす。店主「自慢」の約4千枚のレコードと音響設備でジャズファンを酔わせてきたが、店がある一帯が再開発で取り壊されるため閉店することになった。ファンは「鹿児島のジャズ文化を育んできた宝」を残そうと、別の店への移設を計画している。

 店主の日高征さん(75)が1973年、コーヒー専門の喫茶店として開業。当時、店内でジャズを流していると「音量を上げてほしい」「うるさいので小さくして」という正反対の声があったため、78年にビルを建て、1階をコーヒー店、2階にジャズ喫茶を設ける今の形になった。

 まだ、ジャズ喫茶が元気だった時代。3カ月に1回のペースで上京し、40~70年代のレコードを買い集めた。日高さんは「高価な輸入盤はジャズ喫茶でないと聴けなかった。グルーヴ(うねり)があった」と懐かしむ。

 ただ、時代の移ろいとともにジャズ喫茶は一つ、また一つと姿を消した。市内で昔ながらのジャズ喫茶は門だけに。その門も10年ほど前から毎週金曜日の夜のみの営業になった。九州新幹線全通により、付近はホテルやマンション、若者向けの居酒屋が林立し、街並みは大きく変わった。今回の再開発事業に当たり、日高さんは「年齢的に潮時」と店じまいを決めた。

 一方、日高さんが集めたレコードの数々と、アルテック社の大型スピーカー2基(1基縦132センチ、横76センチ)が散逸するのを惜しむ声がファンから上がった。

 そこで、門に約30年通ってきた音楽教室経営の森田孝一郎さん(50)や同市出身で東京在住の音楽家らが「鹿児島のジャズ文化を残そう」と市内のコーヒーショップへの移設を計画。その費用として、インターネットで資金を募るクラウドファンディングを始めた。

 日高さんは「ジャズは人生そのもの。鹿児島で受け継いでくれる人たちがいるのはうれしい」。門は鹿児島市中央町19の10。最後の営業は29日午後8時から。クラウドファンディングの詳細は「門 イノベート」で検索。

=2017/09/25付 西日本新聞夕刊=

→電子版1周年記念!1万円分賞品券やQUOカードが当たる!!

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]