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熊本地震「本震」1年半 尽きぬ祈り誓う復興

犠牲者の自宅跡に花を手向ける住民=16日午前9時、熊本県南阿蘇村
犠牲者の自宅跡に花を手向ける住民=16日午前9時、熊本県南阿蘇村
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 熊本地震は16日、本震発生から1年半を迎えた。前震に続き震度7を2度観測した熊本県益城町や、同県南阿蘇村では遺族らが犠牲者に黙とうをささげ、復興へ誓いを新たにした。

 益城町の仮設住宅では、自宅の下敷きになり亡くなった村田恵祐さん=当時(84)=の家族や親族が遺影に手を合わせた。弟の武尚さん(72)は「遺族の面倒は自分が見るからと、いつも手を合わせています」と語った。南阿蘇村立野では、土砂崩れの犠牲になった夫妻の自宅跡に住民が献花。江藤俊雄区長(67)は「月日がたつのは早い。家がどこにあったかも分からん」と更地となった周囲を見回した。

 熊本地震の犠牲者は、関連死194人を含む249人に上る。

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■補償難航描けぬ再建 南阿蘇・立野の貯水槽損壊 住民、九電に不満強く

 熊本地震で熊本県南阿蘇村立野の九州電力黒川第1発電所の貯水槽が損壊して大量の水が流出し、土砂崩れで2人が死亡するなどした問題で、被災した9世帯と九電の補償交渉が難航している。全357世帯が長期避難世帯となった立野地区は今月末で認定が解除される予定だが、9世帯は生活再建の道筋を描けないままとなっている。

 住民側によると、今春に示された補償額は土地1平方メートル当たり7千円前後。九電は土地の買い取りを前提としており、被害に遭った建物の価値をほとんど評価していないことなどに住民の不満が根強いという。九電は「交渉内容は公表しない」としている。

 九電は昨年11月、専門家の検討結果を踏まえ過失を認めない方針を示す一方で「事実は重く受け止める」として補償交渉に入った。しかし「水の流出がなければ家は崩壊しなかった」とする住民側の認識とは開きが大きいまま。

 今年9月、今春の提示額の2割増しの補償額を示された住民は「九電は住み慣れた土地を手放すことを理解していない」と憤る。

 立野地区では8月に村中心部につながる阿蘇長陽大橋が復旧し、断水も解消。長期避難世帯が解除されれば居住も可能になるが、補償問題を抱える9世帯は交渉決着のめどが立たず、移転先探しなどにも踏み切れない。

 16日、犠牲になった住民2人の自宅跡に献花した江藤俊雄区長(67)は「前を向かないといけないが、長引く交渉に住民は疲弊している」と話した。

=2017/10/17付 西日本新聞朝刊=

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