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元刑務官、絵本の古書店開く 豊後高田市 「成長には親子の触れ合い必要」

店舗2階は木目調の空間が広がる。「この店を続けて人生を終えられたら最高」と金谷さん
店舗2階は木目調の空間が広がる。「この店を続けて人生を終えられたら最高」と金谷さん
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 元刑務官の金谷道範さん(53)が、大分県豊後高田市に絵本の古書店「えほん 月波や」を開いた。刑務官を早期退職しての転身。罪を犯した少年たちの更生に関わった経験から「子どもの成長には親との触れ合いが欠かせない」との思いで一念発起した。絵本を通じて親子の絆が深まることを願う。

 店は9月、豊後高田市の「昭和の町」の玉津プラチナ通りにオープン。大正時代の民家を改装した店舗の2階30畳の空間には隠れ家になるテントあり、ぬいぐるみあり、落書き自由の黒板あり…。授乳室とオムツ交換台を備え、飲食も持ち込みを含めて自由だ。壁には遊びに来た子どもたちの写真を飾り、笑顔があふれている。

 本の種類も多彩にそろえた。人気の「ぐりとぐら」シリーズをはじめ、立体絵本や戦前の児童書など国内外の約千冊が並ぶ。価格は300~千円が中心。親にとっては子どもを遊ばせながらゆっくり本を選ぶことも、一緒に読むこともできる。「ここは親子が何をしてもいい場所」と金谷さん。来店者からは「こんな店があったらいいなと思っていた」と好評だという。

 北九州市生まれの金谷さんは1989年に刑務官に採用された。8カ所の刑務所と少年院で勤務した27年間で感じてきたのは「親との関わりが薄く、他人との接し方が分からないまま育っている人が多い」こと。箸の持ち方、言葉遣いも大人に教えてもらえなかった、という少年も多かった。

 退職後、広島市から父の故郷、豊後高田市への移住を決め、開店に踏み切った。「一緒に同じ絵本を読み、一緒に感動する絵本の読み聞かせは大切なツールになる」。日々、そう実感している。

 営業は午前10時~午後6時、水曜定休。店舗1階では全国の刑務作業による木製雑貨を販売。絵本の買い取りも可能。問い合わせは同店=0978(25)6334。


=2017/11/15付 西日本新聞夕刊=

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