軽妙トーク、婚活請負人 熊本のタレント荒木直美さん カップル800組超成立

これまでに800組を超すカップルを成立させてきた荒木直美さん。ユーモアあふれる言葉が男女を結びつけてきた=3日、熊本県南阿蘇村
これまでに800組を超すカップルを成立させてきた荒木直美さん。ユーモアあふれる言葉が男女を結びつけてきた=3日、熊本県南阿蘇村
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山コンで参加者の交流をチェックする荒木さん(右奥)=3日、熊本県南阿蘇村
山コンで参加者の交流をチェックする荒木さん(右奥)=3日、熊本県南阿蘇村
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 成立させたカップル800組超。熊本にすご腕の“婚活仕事人”がいる。テレビやラジオでのタレント活動のかたわら、「婚活コーディネーター」として活動する熊本市の荒木直美さん(49)。恋心に火を付け、ユーモアあふれる話術で燃え上がらせる。その言葉から婚活の極意に迫った。

 ▼「婚活は戦いだ」

 3日、熊本県南阿蘇村。山歩きをしながら相手を探す「第3回山コン」は、荒木さんの勇ましい言葉とともに火ぶたを切った。山へ向かうバスの中で、荒木さんは男性陣に婚活の心構えを説いていく。

 ▼「女性の『恋愛対象圏』に入るための武器は笑顔だ」

 緊張で顔を引きつらせる男性たちには「『ウイスキー』とつぶやくと口角が上がります」とアドバイス。「声に出すのは駄目よ。アルコール依存症と思われるから」と場を和ます冗談も忘れない。

 ▼「婚活の恥はかきすて」

 笑顔とともに重要なのが積極性。多くの参加者に話し掛けないと、自分に合う人など見つかるはずもない。気に入った人がいれば、恥ずかしがらずに好意を口に出すことも必要という。

 ▼「婚活は、モテない男女が集まる場所じゃない」

 近年の婚活は料理やスポーツを一緒にするなどテーマを絞ったものが目立つ。南阿蘇村主催の山コンは、阿蘇の雄大な景色を眺めながらのトレッキングで心をほぐす。一昨年は16組、昨年は10組のカップルを生み、そのうち5組が結婚に至った“実績”を誇る。

 今年は男女40人ずつの募集に九州各地から471人の応募があった。職場で異性との接点がない人、普段の人間関係から離れた付き合いをしたい人、さまざまな動機の人たちが山コンを“活用”しているという。

 ▼「婚活は自分に入れる活だ」

 明治安田生活福祉研究所の調査では、25~34歳の「アラサー世代」独身男女の過半数が「結婚を意識した交際経験はない」という。

 恋愛や結婚に及び腰の若者も増えている昨今。結婚して20年の荒木さんは「パートナーのいる幸せを発信したい」と、新婚時代から男女の仲を取り持ってきた。10年ほど前から「婚活」という言葉も定着。現在は多い時で月5回もコーディネートの依頼が来る。昨年4月の熊本地震を機に、熊本では婚活の需要は高まっているという。「心が弱っている時に誰かにそばにいてほしい気持ちがあるのでは」とみる。

 ▼「婚活は1人で行って2人で帰るもの」

 参加者に優しく厳しく声を掛けるのが荒木さんの流儀。同性同士で固まっていると「そこ、女子会じゃないよ!」「ここに来た目的を見失わないように!」。そして、まごつく男女には何度もこんな声が飛んだ。

 ▼「婚活で、明日やろうはバカヤロウだ!」

 荒木さんの叱咤(しった)激励を受け、この日の山コンでは参加者のほぼ半数がカップルとなり、過去最多の19組が誕生した。

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 ■生涯未婚率 過去最高 15年厚労省調査 男性23%、女性14%

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、50歳まで一度も結婚をしたことのない人の割合を示す「生涯未婚率」は2015年に男性23.37%、女性14.06%。10年の前回調査より男女とも3ポイント超伸びて過去最高を更新し、生涯未婚の人は男性のほぼ4人に1人、女性のほぼ7人に1人に上る。1980年は男女とも5%未満だったが、2010年に男性が20%、女性が10%を初めて超え、「結婚離れ」は加速している。

 一方、結婚したい若者の割合は高水準が続いている。同研究所が昨年公表した調査では、18~34歳の未婚者のうち「いずれは結婚するつもり」と考えている人が男性85.7%、女性89.3%を占めた。

=2017/11/18付 西日本新聞夕刊=

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