朝倉の女性と判明 九州豪雨 筑後川で発見の人骨

岩下君枝さん
岩下君枝さん
写真を見る

 福岡県朝倉市は6日、同県久留米市田主丸町の筑後川河川敷で3日に見つかった人骨は、九州豪雨で行方不明となっていた朝倉市杷木星丸の岩下君枝さん=当時(84)=と確認されたと発表した。豪雨の犠牲者は福岡、大分両県で38人となった。依然、朝倉市で3人の行方が分かっていない。

 県警や消防などは3日、豪雨から5カ月を前に筑後川流域などを重点捜索。県警によると、重機で持ち上げたがれきなどの下に人の骨があるのを見つけ、身元の確認作業を進めていた。

   ◇    ◇

孫と犠牲、いつでも笑顔 岩下君枝さん(84)=朝倉市

 7月の九州豪雨から5カ月が過ぎ、行方不明だった福岡県朝倉市杷木星丸の岩下君枝さん=当時(84)=の死亡が確認された。岩下さんの長女、大塚香須美さん(58)=同県久留米市=は「残念だが見つかって本当に良かった」と話し、捜索を行った警察や消防団に対し「家族みんな感謝の気持ちでいっぱいです」と声を震わせた。

 君枝さんは、豪雨となった7月5日、自宅に駆け付けた孫のひとみさん=当時(36)=と、家ごと流されたとみられる。ひとみさんは豪雨の2日後に遺体で見つかった。

 君枝さんは足が不自由だったが、昨年夫を亡くしても「1人でここに住む」ととどまった。畑でナスなどを育て、草取りなどの手入れも欠かさず、取れた野菜は近所にお裾分けした。近くの男性は「いつもにこにこ、腰が低い、やさしいおばあちゃんだった」。

 行方不明になってから「言葉にできない時間。ただ待つだけでした」と大塚さん。今月3日の遺骨発見を聞き「今度こそ、母だと思った」という。「亡くなったのに『良かった』というのもおかしいが、見つかって良かった。ご心配をおかけした皆さんにお礼を言いたい」と述べた。

 地域の自治組織「松末(ますえ)地域コミュニティ協議会」会長で、岩下さんと面識のある伊藤睦人さん(73)は「家族にとっては遺骨が見つからないと心の整理がつかない。消防団や警察の方々に感謝するとともにまだ不明者が3人おり、家族のためにも早く見つかってほしい」と祈った。

=2017/12/07付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]