夢の場所最後も笑顔で スペースワールド31日閉園 自虐CM主演の島田部長 開園27年支え続け

夏のCMでセンターを務めた島田直幸さん
夏のCMでセンターを務めた島田直幸さん
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スペースワールドの象徴、スペースシャトル前に立つ島田さん=11月、北九州市八幡東区
スペースワールドの象徴、スペースシャトル前に立つ島田さん=11月、北九州市八幡東区
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 あと約3週間で幕を閉じるスペースワールド(SW、北九州市八幡東区)。閉園前のにぎわいを感慨深く見つめる社員がいる。社会人生活をSWとともにスタートさせた運営会社の企画・営業部長、島田直幸さん(51)だ。園のスタッフが出演し、「なくなるヨ! 全員集合」と叫ぶ自虐的なCMシリーズでは“センター”を務めた。「SWは夢の場所。最後までお客さんに笑顔を」。27年の歴史を締めくくる31日のイベント準備に心を込める。

 幼い頃から星が大好きだった。古里は大分県日田市。夏の夜空には天の川が見えた。SWの社員募集を知ったのは就職活動中の大学生のとき。SWはオープン前で、宇宙旅行を疑似体験できる「スペースキャンプ」など教育色の強い施設をそろえる計画に、「宇宙のすごさを子どもたちに伝えられる」と共感。開園前年の1989年に入社した。

 90年代は年間来園者が200万人を超える年が続き、97年度はピークの216万人を記録。島田さんはジェットコースターの新設などを担当した。時差の関係で、米国メーカーとの打ち合わせは時に深夜や翌日未明になることもあったが、「充実していた」。

 潮目が変わったのは2000年代に入ってから。レジャーの多様化などで入園者は200万人を割り込み、会社は05年、民事再生法の適用を申請。経営は新日鉄(当時)から札幌市の加森観光へ引き継がれた。「これも時代なのか」。自分に言い聞かせた。

 そんな頃だった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)がSWで催したイベント。「幼いときSWに来て宇宙に興味を持ち、JAXAへ就職した」。若い機構職員の言葉に胸が詰まった。

 SWは土地契約の問題などで昨年12月、閉園を発表。あまりに突然すぎて「言葉も出なかった」が、気を取り直し前を向いた。「寂しさを吹き飛ばそう」と、閉園を逆手にとって出演した3本のCM。ともに出演した社員・スタッフの中で「一番社歴が長い」として、“センター”に抜てき。夏のCMでは肌をファンデーションで小麦色に塗り水着姿で登場。反響は大きく、多くの元社員や旧友が「CMを見たよ」と訪れた。

 担当する12月31日のイベントでは、音楽に合わせて花火を打ち上げる「花火イリュージョン」が約10年ぶりに復活する。「伝説的な閉園にしたい」。それが来園者や園への恩返しだと信じている。身の振り方はその後、考えるという。

=2017/12/10付 西日本新聞朝刊=

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