アフリカもっと知って 拝啓「黒いの」発言の山本議員 ルーツ持つ子対話求め手紙

アフリカンキッズクラブの子どもや保護者ら。キャンプなどで交流している(アフリカ日本協議会提供)
アフリカンキッズクラブの子どもや保護者ら。キャンプなどで交流している(アフリカ日本協議会提供)
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 自民党の山本幸三前地方創生担当相(衆院福岡10区)が、アフリカ支援活動を巡り「何であんな黒いのが好きなんだ」と発言した問題で、アフリカ出身の親を持つ日本在住の子どもたちでつくる「アフリカンキッズクラブ」(東京)が14日、山本氏に抗議の手紙を送った。「一方的に抗議したいわけではなく、アフリカのことや自分たちのことを知ってもらいたい」と思いを込め、手紙の返事や面会を求めている。

 キッズクラブは、両親または親のどちらかがアフリカ出身の子どもが交流する場。NPO法人「アフリカ日本協議会」が運営している。手紙は小学生から社会人までクラブ外を含む42人が連名で出した。

 文案作りに関わった津山マトム家野(かや)さん(19)=東京都小平市=は父が南アフリカ出身、母が日本人で、10歳の頃から日本で暮らす。「日本で生まれ育った子どもの多くは自分を日本人と認識しているのに、外人と呼ばれたり、肌の色でいじめられたりすることが後を絶たない」。自身も小学校で「黒豚」とののしられた経験がある。

 山本氏の発言を聞き「自分は日本人のアイデンティティーを持っているのに、人種の違いを意識させられ、存在を否定された」とショックを受けた。「山本さんは、アフリカにルーツがある人と接する機会があまりなかったのかもしれない。話し合ってアフリカのことを伝えたい」と対話を希望している。

 山本氏の事務所は「手紙の内容を確認して、対応を検討する」としている。

 山本氏は11月、北九州市であった自民党の三原朝彦衆院議員(福岡9区)の政経セミナーで「ついていけないのが(三原氏の)アフリカ好きでありまして、何であんな黒いのが好きなんだと言っておるんですが…」と発言。「アフリカ大陸を示す意味で使った。表現が誤解を招くということであれば撤回したい」と釈明した。

◆アフリカンキッズクラブが送った手紙(抜粋)

 私たちの親はアフリカ諸国の出身です。私たちにとってアフリカの国も母国であり、そのことを誇りに思っています。山本議員の言い方は、どう考えても差別的で、蔑(さげす)んでいるようにしか聞こえません。釈明で使った「暗黒大陸」という文脈での「黒い」という言葉が、植民地支配や搾取の歴史の苦悩を意味しているということは、若い私たちでも理解しています。

 弁解についても「誤解を招くようであれば」と、あくまで受け身的な姿勢で反省していない言葉です。政治家である以上、言葉のもつ力とその重みは理解していらっしゃると思います。そして自らのあやまちと正面から向き合うことが必要だと思います。このような発言を国会議員で、大臣経験者でもある方がされることは、アフリカ諸国をはじめ、国際的に信用をなくすことにつながるでしょう。私たちは、すべての人・文化・社会を同等に尊敬し、対等に向き合うことが大切だと思います。

 山本議員が、自らの発言を反省し、私たちアフリカにルーツをもつ人間、アフリカ系の人々、さらには差別と真っ向から向き合い反対する勇気をもつすべての人に対して真摯(しんし)に謝罪するよう求めます。人は常にあやまちから学べるということを子どもたちに示してください。

=2017/12/15付 西日本新聞朝刊=

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