保育料格差、年51万円 福岡ばらつく0-2歳児、育児負担 九州の県都、月1万円差

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 標準的な子育て世帯が支払う0~2歳児の認可保育所などの保育料が、福岡県内の市町村で最大約3・3倍の開きがあり、年間約51万円の格差があることが西日本新聞の調べで分かった。九州各県の県庁所在地でも月額で最大1万円ほどの差があり、住む場所によって子育ての経済的負担が大きく異なる。政府は幼児教育の無償化を看板政策に位置づけているが、この0~2歳児は大半の世帯が対象外となる見通しだ。識者は「保育料が高額になる低年齢児こそ公的支援の拡充が必要」と指摘する。

 認可保育所や認定こども園の保育料は、国の基準額を上限に、各市町村が預ける人の世帯収入に応じて決める。上限額より安くする場合は原則、市町村の財政負担が増す仕組みなので、自治体の方針次第で保育料にばらつきが生じる。

 今回は厚生労働省による2016年国民生活基礎調査の「児童のいる世帯」の平均所得(707万8千円)を参考に、世帯年収700万円程度の人が第1子を預けるケースで、福岡県内全60市町村と九州各県庁所在地の保育料を比較した。

 最も安かったのは福岡県大川市の1万8300円。若い世代を呼び込み人口減を食い止めようと15年度に大幅値下げに踏み切った。

 逆に最も高いのは国の上限と同じ6万1千円の春日市、宗像市、太宰府市、添田町、川崎町など福岡県内の12市町。粕屋郡内は粕屋町を除く6町全てが上限額を採用、高めの設定が目立った。ただこうした自治体も世帯収入によっては他都市より安い場合もある。

 県内平均は4万9861円で、最多の4万円台が福岡市など26自治体、5万円台が17自治体で続く。

 九州の県庁所在地の平均は4万4386円で、最も安い宮崎市が3万7400円、最も高い長崎市が4万7千円だった。

 政府は、少子高齢化を克服し高い経済成長を目指す「人づくり革命」を掲げ、3~5歳児の幼児教育・保育を原則無償にする方針。しかし0~2歳の無償化は、住民税非課税世帯の子どもに限定する見通しだ。

 保育行政に詳しい鹿児島大の伊藤周平教授(社会保障法)は「低年齢児は人手がかかるため保育料が高額となりがちで、その分地域差も生じやすい。少子化対策というなら0~2歳児にこそ国の支援を拡充し、どこに住んでも負担が少なく、保育を受けられるようにすべきだ」と指摘した。

【ワードBOX】認可保育所の運営費用


 国が、定員や地域ごとに運営にかかる人件費や事業費などを「公定価格」として定めている。この運営費用は国、都道府県、市町村と保護者の4者が負担。保護者が払う保育料は、世帯の所得などに応じて国が定める基準額を上限とし、実施主体の市町村が決める。保育料を基準額より引き下げる場合は原則、市町村が単独事業で肩代わりする仕組みのため、自治体財政への影響は大きい。

=2017/12/30付 西日本新聞朝刊=

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