震災教訓に避難アプリ 避難経路を表示、知人と安否情報共有 熊本赤十字病院が考案

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 災害の発生直後、スマートフォンの画面に最寄りの避難所への経路を表示し、家族や知人に自分が避難を始めたことを一斉に知らせる機能を、熊本赤十字病院(熊本市東区)の医師らが考案し、特許を取った。2011年3月の東日本大震災では、家族の所在を捜している人が逃げ遅れ津波の犠牲になる事例が多発。津波が来たら、各自がてんでんばらばらでも高台などに逃げて被害を防ぐ東北の言い伝え「津波てんでんこ」の実践を助けるアプリとなりそうだ。

 機能は災害発生時、画面の「避難開始」ボタンを押すと、あらかじめ登録した人たちに自身の避難情報が一斉送信され、同時に家族や知人など複数登録者の情報受信も可能。企業や事業主が従業員の安否を把握する既存サービスに比べ、互いの情報を短時間で共有できるのがメリットだ。台風や大雨などで避難が必要な際にも活用できるという。

 同病院は、研究機関や企業などと連携して避難所の環境改善技術などの研究を続けており、東日本大震災で医師や看護師を派遣した経験も生かそうと今回のシステム開発に着手した。被災時に多くの人が利用するスマートフォンなどの携帯端末の有効性に着目。16年4月の熊本地震の教訓なども踏まえ、家族の安否が不明なまま自分が避難することに抵抗がある被災者心理に配慮したという。

 宮田昭副院長(61)は「より多くの人命を助けるためには医療救命活動だけでなく避難を支援する必要があると痛感した」と話す。

 14年に特許を出願し、17年12月に取得。今後、民間企業と共同で実用化を目指す。

=2018/01/13付 西日本新聞朝刊=

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