性犯罪被害の偏見防ぐ条例 福岡県議会が全国初 「教育、啓発に重点」提案へ

 多発する性犯罪を防ぎ、被害者を支援する新たな条例案を福岡県議会が議員提案する方向で検討していることが分かった。被害者を孤立に追い込む誤解や偏見をなくすため、県民の教育、啓発に重点を置く内容となる見込みで、早ければ3月末の条例案提出を目指す。子どもの性犯罪被害防止を主眼とした条例は大阪府などにあるが、性犯罪全般を対象にした条例は都道府県で初めてとなる見通し。

 福岡県議会関係者によると、主要4会派は昨春から、犯罪被害者支援条例の制定を検討してきた。ただ、県内の性犯罪認知件数が高い水準にあることが協議の中で指摘され、性犯罪に絞った条例を別に定める方針が固まった。

 条例案には、県の義務として、性犯罪を許さず、被害者を支える機運を県民に醸成することを明記。「露出の多い服装の人が被害に遭う」「本当に嫌なら必死に抵抗するはず」など被害者側にも非があるような言説が誤りだということを学校で教え、教職員にも研修を課すよう県に求める内容などを検討している。

 性犯罪に関する条例では、大阪府が子どもへの性犯罪前歴者に住所の届け出を義務付け、奈良県は13歳未満に対する不審な声掛けなど性犯罪の前兆になり得る事案を規制している。福岡県議会の4会派は、こうした犯罪抑止策をどう盛り込むかも協議している。

 一方、犯罪被害者支援条例案には、性犯罪を含め被害者に対応する市町村窓口の設置、殺人事件で遺族が加害者側から損害賠償を受ける際の支援などを盛り込む予定。県議会は二つの条例案を同時提出する方針。

 福岡県内の2017年の性犯罪認知件数は411件で、人口10万人当たりの件数は8年連続で全国ワースト2位。県警は性犯罪抑止を「暴力団の壊滅」「飲酒運転の撲滅」と合わせて三大重点目標に掲げている。

=2018/01/19付 西日本新聞朝刊=

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