山岳遭難者救え 「捜索隊」発足 筑紫野署の若手32人訓練励む

山道での搬送訓練に励む筑紫野署山岳捜索隊のメンバー
山道での搬送訓練に励む筑紫野署山岳捜索隊のメンバー
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 登山ブームに伴い、近年急増している山岳遭難や事故に対応しようと福岡県警筑紫野署が昨年11月、若手署員を中心とした「山岳捜索隊」(計32人)を発足させ、訓練に励んでいる。管内には人気スポットの宝満山などがあり、山登りシーズンの夏から秋にかけて遭難が相次いだためだ。県警によると、警察署に山岳捜索に特化したチームを置くのは珍しいという。

 「あと3メートル!」「『せーの』でゆっくり引いて」。昨年11月末、同県筑紫野市の天拝山歴史自然公園。隊員たちが災害救助を専門にする県警の機動隊員から、高低差の大きい山道での負傷者の救助方法を学んでいた。

 訓練では、成人男性が谷に落ちて体が動かせなくなったという想定で担架に乗せて搬送した。隊員たちは「想像以上に力が必要」「要救助者に引くタイミングを知らせないと、怖い思いをさせてしまう」などと山での救助活動の難しさを実感していた。

 通常、山岳遭難が発生した場合、消防や自衛隊、地元の登山愛好家らが捜索に当たる。最寄りの警察署も参加するが「専門的な装備や知識もなく、踏み込んだ捜索はできなかった」と署の幹部。人命に関わるなど緊急性が高い際は機動隊が出動するが、「山を管轄する警察署として迅速に対応したい」(下田雄治署長)と、隊の結成を決めた。

 管内には宝満山(829メートル)をはじめ、天拝山(258メートル)、四王寺山(410メートル)など初心者でも登りやすい山が多い。登山客が増えるとともに遭難するケースは年々増え、2015年の3件3人から昨年は7件10人に上った。

 全国的にも山岳遭難は深刻化しており、07年は1484件だったが、15年には統計の残る54年間で過去最多の2508件を記録。16年も2495件とほぼ横ばいだった。うち九州7県は142件で、半数以上を高齢者が占めた。

 山岳捜索隊長の益田敬二地域課長は「山の捜索では、素早い対応が命を守る鍵になる。低い山でも遭難する恐れはあり、しっかりと訓練に励みたい」と意気込んでいる。

=2018/01/27付 西日本新聞夕刊=

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