玄海再稼働不安根強く 規制委と初の意見交換会 地元自治体

原子力規制委員会の更田豊志委員長(右)から玄海原発の安全対策について説明を受ける佐賀県の山口祥義知事(左から2人目)と岸本英雄玄海町長(左)=11日、同県唐津市
原子力規制委員会の更田豊志委員長(右)から玄海原発の安全対策について説明を受ける佐賀県の山口祥義知事(左から2人目)と岸本英雄玄海町長(左)=11日、同県唐津市
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 原子力規制委員会は11日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)から30キロ圏内の自治体と九電の関係者を交えた意見交換会を、佐賀県唐津市で開いた。地元関係者との対話の場をつくる狙いで、全国で初めて企画。3月に見込まれる玄海原発3号機の再稼働に反対する声が相次ぎ、原発への不安や不信が根強いことが浮き彫りになった。

 意見交換会は規制委の更田豊志委員長らが玄海原発を視察するのに合わせて開催した。佐賀、長崎、福岡3県の7市1町と各県から首長や担当者が出席。長崎県松浦、平戸、壱岐の3市長が、再稼働反対を改めて表明した。

 玄海原発から最短8・3キロの鷹島を抱える松浦市の友田吉泰市長は、事故に備えた避難道路の整備を国に求めたことに触れ「要望が何も履行されることなく、再稼働に向けた燃料装填(そうてん)が始まる。現状では再稼働を容認することは難しい」と訴えた。南部が30キロ圏内に入る壱岐市の白川博一市長も、事故時に陸路で逃げられない離島の特殊性や要援護者の対応の難しさを挙げて「住民の不安は解消されていない」と強調した。

 これに対し、更田委員長は「原子力施設を動かす場合に、最低限の対策を取るよう求めるのが規制委の役割。再稼働するかどうかは推進主体が判断する」と答えるにとどまり、議論は深まらなかった。

 再稼働を容認する首長からも注文が上がった。玄海町の岸本英雄町長は意見交換会を評価しつつも「もっと早い時期にやってほしかった」と語った。原子力災害対策の分かりやすい説明を求める声も出た。

 終了後、更田委員長は「私たちは再稼働に理解を求めにやってきたわけではない。多様な意見を聞けたのは良かった」と総括した。

 規制委は昨年1月、玄海原発3、4号機が東京電力福島第1原発事故後の新規制基準に適合していると認定。玄海町長や佐賀県知事も再稼働に同意し、再稼働への工程は最終段階に入っている。

=2018/02/12付 西日本新聞朝刊=

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