翼固定部品なぜ破損 陸自ヘリ墜落1週間 欠陥か整備ミスか 防衛省究明へ

陸自ヘリ墜落現場から回収されたメインローターヘッド。主回転翼との接合部4カ所のうち2カ所が欠けている=8日午前
陸自ヘリ墜落現場から回収されたメインローターヘッド。主回転翼との接合部4カ所のうち2カ所が欠けている=8日午前
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 佐賀県神埼市の住宅に陸上自衛隊ヘリコプターが墜落した事故から12日で1週間。陸自は空中でメインローター(主回転翼)が機体から外れたことが事故原因とみて調べている。小野寺五典防衛相は被害家族や地元首長へのおわび行脚を続けたが、落下物が別の民家の屋根を突き破る被害も新たに判明。現場近くでは複数の児童が体調不良を訴える。佐賀空港への陸自オスプレイ配備計画への影響は避けられそうにない。

 「原因究明をしっかり行い、二度とないよう対応する。改めておわび申し上げる」。小野寺防衛相は11日に佐賀県庁を訪れ、山口祥義知事にこう陳謝した。山口知事は「原因究明、再発防止、被害者への対応をお願いする」と求めた。

 事故は5日午後4時40分ごろに発生。目達原(めたばる)駐屯地所属のAH64D攻撃ヘリコプターが住宅に墜落し、乗組員2人が死亡、住宅に1人でいた女児(11)が右膝に軽傷を負った。

 ヘリの飛行ルートでは、墜落現場から2キロ圏に機体からの落下物が散乱した。11日には、近隣の民家の屋根や倉庫の壁を突き破るなどの被害7件が新たに判明。「誰にも当たらなかったのは、幸運としかいえない」(付近の住民)状況を浮き彫りにした。

 事故を巡っては、空中で主回転翼が機体から外れたとの目撃証言が多数ある。一部始終を捉えたドライブレコーダーにも空中で主回転翼とみられる二つの部品が機体から分離、ヘリが墜落する様子が写っていた。

 主回転翼4枚のうち、水路で見つかった2枚の根元部分には回転軸に固定する「メインローターヘッド」の一部が残っていた。ヘッドは「十字形」で主回転翼を四方から差し込み固定する。回収したヘッドは四つの接合部のうち二つが欠けて「L字形」になっていた。飛行1750時間ごとに交換する規定で、新品に替えたばかりだった。

 陸自はヘッドの一部が飛行中に破損、分離したとみて、整備ミスや部品に欠陥がなかったかフライトレコーダー(飛行記録装置)も解析して原因究明を急ぐ。

 事故は、陸自のオスプレイの佐賀空港配備計画にも影響を与えそうだ。計画では2019年度以降、オスプレイ17機や目達原駐屯地のヘリ約50機を配備する。

 山口知事は昨年7月、計画受け入れに前向きな姿勢を示した後、米軍機の相次ぐ事故などを受けて最終判断を先送りしている。

 計画反対派からは「ついに佐賀でも墜落事故が起きた。反対運動を強める」との声も上がる。防衛省幹部は「最悪のタイミング」。政府高官も「ただでさえ理解が進んでいないのに、丁寧に説明していくしかない」と漏らす。

=2018/02/12付 西日本新聞朝刊=

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