古墳時代のすずり出土 福岡市の比恵遺跡群 「奴国で文字使用」

比恵遺跡群から出土した古墳時代のすずりの一部
比恵遺跡群から出土した古墳時代のすずりの一部
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 福岡市は16日、比恵遺跡群(博多区博多駅南)から3世紀後半の古墳時代とみられる石製すずりの一部が出土したと発表した。遺跡群は古代中国の史書「魏志倭人伝(ぎしわじんでん)」に登場する「奴国(なこく)」の中心部にあり、市は「邪馬台国時代に奴国での文字の使用を示す貴重な発見」としている。

 市埋蔵文化財課によると、出土した石製品は、板状で幅4・7センチ、長さ最大5・4センチ、厚さ0・8センチ。形状や、表面の磨かれ具合などから、すずりとみられるという。2016年7~8月の事務所建設に伴う発掘で見つかり、専門家に調査を依頼して判明した。

 筆やすずりなどの文具は、弥生時代中期(紀元前1世紀前後)以降に、朝鮮半島から西日本に広まったとされる。弥生時代のすずりは、三雲・井原遺跡(福岡県糸島市)や中原遺跡(同県筑前町)など4遺跡で出土しているが、その後の古墳時代前期(3世紀後半)のすずり出土は国内で初めてという。

 比恵遺跡群は、弥生時代に奴国の拠点集落があったとされ、これまでも竪穴住居跡や小銅鐸(どうたく)などが見つかっている。市の担当者は「奴国が、文字文化もある重要な場所だったことを示す史料になる」と話した。

=2018/02/17付 西日本新聞朝刊=

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