経営重視減便押し切る JR九州ダイヤ改正 「地域の足」に人口減の波 路線維持道筋どう描く

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 1日当たり117本の大幅減便を盛り込んだJR九州のダイヤ改正。自治体などからの強い批判にもかかわらず見直しは微修正にとどまり、当初計画のまま押し切った。自治体側の不信感は根強く「地域の足」を担う鉄道事業者として課題を残した。一方で人口減少が進む中、赤字ローカル線の維持へ向けた道筋は不透明。鉄路の未来をどう描くのか、九州でも議論は避けられない。

 「ネットワーク維持のため、輸送力と実際の利用状況の乖離(かいり)を適正化することが会社の使命だ」

 JR九州の古宮洋二常務鉄道事業本部長は16日の会見で、ダイヤ改正の狙いを改めて強調した。

 国鉄の分割・民営化による会社発足後、運行本数増や観光列車投入で利用拡大を目指す一方、駅の無人化など効率化を進めてきたが鉄道事業は赤字のまま。事業の多角化で収益は拡大したが、株式上場後は株主らの厳しい目にさらされた。

 1年かけて検討した改正だったが、沿線自治体は猛反発。事前協議がなかったことにも不満を募らせた。国土交通省から「柔軟に対応してほしい」(幹部)と水面下で促されたこともあった。古宮常務は「沿線自治体に事前にお伝えしたら良かった。今後も地元とは話をしていく」と述べたが、大幅見直しに踏み込む姿勢は見せなかった。

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 人口減少や道路網の充実など、地方の鉄道を取り巻く環境は厳しい。

 JR北海道は2016年11月、同社単独では維持困難とする10路線13区間を公表。うち3区間でバスなどに転換する方針だ。JR西日本も地元自治体と5年に及ぶ協議を経て、輸送密度(1キロ当たりの1日の平均通過人員)がJR6社で最低だった三江線を今年3月で廃止する。

 鉄道のあるべき姿を考える取り組みを進めるのはJR四国だ。四国4県のほか経済界代表や有識者らと昨夏、懇談会を設立。利用促進策や、鉄道施設を自治体に譲渡しJRが運行を担う「上下分離方式」の可能性などを検討する。

 同社の担当者は「路線維持が困難になったら即『廃線』ではなく、より良い解決策を見いだしたい。地域が一体となって取り組むほかない」と語る。

 JR九州は昨年7月、輸送密度を初めて公表した。廃線ありきではないとするが、沿線自治体では将来への不安が広がる。昨夏の台風で被災した日田彦山線も復旧のめどが立たないままだ。

 国交省幹部は「JR九州の今回の(ダイヤ改正に関する)対応は丁寧さを欠いていた。今後は地元の自治体とよく連携して、鉄道を含めた地域に見合った公共交通のあり方を模索してほしい」と注文する。

=2018/02/17付 西日本新聞朝刊=

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