はしか感染の構造解明 九大などの研究グループ 抗ウイルス薬開発を加速

 九州大大学院医学研究院などの研究グループが、はしか(麻疹)ウイルスがヒトに感染する際、細胞と融合する役割を果たすタンパク質の構造を解明した。ウイルスが細胞と融合して侵入するのを阻害する物質が作用する仕組みも明らかにしており、現在は対症療法しかない麻疹の治療薬開発につながることが期待できるという。研究は20日以降、米誌「米国科学アカデミー紀要」(電子版)に発表される。

 麻疹ウイルスは感染力が非常に強く、発熱や発疹などの症状が出るほか、一時的に免疫力を低下させるため、肺炎などの二次感染により世界で年間約9万人が死亡している。国内ではワクチン接種が普及したため、死亡率は減少したが、数年の潜伏期間を経て指定難病「亜急性硬化性全脳炎」を数万人に1人の割合で発症する。

 研究グループは2007年、麻疹ウイルスが細胞と結合する役割を果たすタンパク質の構造を解明。今回は、ウイルスが細胞と融合して内部に侵入する役割があるタンパク質の構造解析に成功した。また、ウイルスの侵入を防ぐ効果がある2種類の物質が、いずれもこのタンパク質の特定の部位と結合して防御効果を発揮することも突き止めた。

 研究グループの橋口隆生准教授(ウイルス学)は「標的となるタンパク質の構造や部位が明らかになったことで、より効果の高い抗ウイルス薬の開発を加速させるのではないか」としている。

=2018/02/20付 西日本新聞夕刊=

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