「ノネコが希少種を襲う」退治に本腰 引き取り手なければ安楽死も 鹿児島県の奄美大島

奄美大島の森林でケナガネズミをくわえるノネコ(環境省奄美自然保護官事務所提供)
奄美大島の森林でケナガネズミをくわえるノネコ(環境省奄美自然保護官事務所提供)
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 今年夏の世界自然遺産登録を目指す鹿児島県の奄美大島で4月から、島内の希少動物を捕食する野猫(ノネコ)を減らす取り組みが始まる。環境省や地元自治体が10年間の管理計画を策定し、捕獲や一時収容など役割分担する。引き取り手がなければ安楽死させる方針も明記し、独自の生態系の保全に本格的に乗り出す。

 世界自然遺産候補地の奄美大島と徳之島は従来猫が生息しておらず、人が持ち込んで繁殖。奄美大島では飼い猫が4千~5千匹、野良猫が1万匹いるとされる。このうち山中で野生化し、在来希少種のアマミノクロウサギやケナガネズミを襲うノネコは600~1200匹とみられる。

 計画では、環境省が島内に設置した監視カメラの映像を基に、希少種の被害が大きい地域などで当面年間300~360匹を目標に捕獲する。わなで捕まえ、地元の高校跡地の建物に1週間収容。市町村が元の飼い主や引き取り手を探し、見つからなければ安楽死させる。

 奄美大島の5市町村は飼い猫の登録を条例で義務化し、人里などにいる野良猫の避妊や去勢をするなど繁殖抑制を進めてきた。ノネコについては徳之島で既に捕獲、収容が行われており、面積が広い奄美大島でも本腰を入れることにした。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は5月ごろに世界自然遺産登録の適否を勧告するが、奄美大島のノネコ対策に関する情報を日本側に追加で照会している。希少種の保護は2003年、環境省の検討会が知床(北海道)や小笠原諸島(東京)とともに世界自然遺産の候補地に奄美や沖縄を絞り込んだ際も、課題に挙げられている。

 鹿児島県は「ノネコが希少種を襲う姿がたびたび確認されている。関係機関と連携し、希少種保護を迅速に進める」としている。

=2018/03/16付 西日本新聞朝刊=

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