福岡空港一時閉鎖 なぜ?前輪のパンク珍しく…通常大きな荷重かからず

前輪のタイヤがパンクし、福岡空港の滑走路で動けなくなり、けん引される航空機=24日午前10時半ごろ
前輪のタイヤがパンクし、福岡空港の滑走路で動けなくなり、けん引される航空機=24日午前10時半ごろ
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パンクした航空機の前輪タイヤ=24日午前10時40分ごろ、いずれも福岡市博多区
パンクした航空機の前輪タイヤ=24日午前10時40分ごろ、いずれも福岡市博多区
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 24日午前8時10分ごろ、福岡市博多区の福岡空港で、関西空港発の格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーション151便が着陸後に前輪のタイヤ二つがパンクして動けなくなり、滑走路が約2時間半にわたり閉鎖された。乗客乗員165人にけがはなかった。同空港発着の82便が欠航し、22便の到着地が変更された。

 国土交通省は、機体の前脚に損傷が確認されたことから、事故につながる恐れがある重大インシデントに認定。運輸安全委員会は同日、事故調査官3人を現地へ派遣した。25日に関係者への聞き取りや機体の調査を行う。

 国交省によると、機体はエアバスA320。着陸後、前輪が横向きの状態で滑走路に停止した。パンクに加え、車輪の向きを変える部品「トルクリンク」が壊れ、ハンドル操作が前輪に伝わらない状態だった。ピーチ社の説明では、関西空港を出発する前の点検では、タイヤに異常はなかったという。

 国交省福岡空港事務所によると、ピーチ機の乗客は午前9時半ごろ、バスでターミナルビルに移動。ピーチ機はけん引車で撤去され、滑走路は午前10時35分に使用が再開された。

 欠航したのは国内線81便と国際線1便。既に福岡空港に向かっていた22便は韓国・釜山や関西、北九州などに行き先を変更した。釜山に変更された便は福岡へ再飛行。佐賀に変更された便の乗客は、航空会社から佐賀-福岡間の交通費の支給を受けた。各航空会社はキャンセル手続きや、乗り継ぎ便に間に合わなかった乗客に別の便を手配するなどした。

 ピーチ社は「深くおわび申し上げる。運輸安全委員会の原因調査に全面的に協力する」としている。

■前輪横向き動けず 唯一の滑走路2時間半閉鎖

 福岡空港の滑走路で立ち往生したピーチ機は移動に手間取り、滑走路の使用再開までに約2時間半を要した。

 国土交通省などによると、ピーチ機は着陸後、前輪のパンクのほか、部品の故障でハンドル操作が前輪に伝わらなくなっていた。さらに、タイヤが横を向いて滑走路上に止まり自走できないため、タイヤを交換し、けん引車を使って移動させる必要があったという。

 けん引車の中には、通称「スピーディ」と呼ばれる前輪を持ち上げるタイプがあり、前輪が動かない状態でも機体を移動させられるが、今回は使用されなかった。ただ、航空評論家の青木謙知氏は「けん引作業にはある程度時間が必要で、撤去は比較的スムーズにいったのではないか」と説明。「福岡空港には滑走路が1本しかないため、影響が大きくなった」と話した。

 航空機は通常、主輪から着地し、前輪に大きな荷重はかからないため、前輪のパンクは珍しい。元運輸安全委調査官で第一工業大航空工学科の楠原利行教授は「着地した機体では前輪が横向きになっていた。前輪に異常な負荷がかかり、両方ともパンクしたのではないか」とみる。前輪が横向きになった原因として、整備不良などの可能性を指摘した。国は福岡空港の滑走路増設に着手しており、2025年3月以降には新滑走路が使える見通し。

=2018/03/25付 西日本新聞朝刊=

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