「新燃岳噴火後に大地震?」ネットで話題に 専門家に因果関係を聞くと…

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 「霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)、御鉢が噴火すると、数カ月後に大地震が起こる」という臆測がインターネット上で話題になっている。実際、1923年には御鉢が噴火した52日後に関東大震災、2011年には新燃岳が噴火した51日後に東日本大震災が起きている。昨年10月に約6年ぶりに噴火し、現在も活発な火山活動を続ける新燃岳。地震との因果関係はあるのか-。

 明治以降の御鉢、新燃岳の噴火とマグニチュード(M)7以上を観測した地震の発生時期を照らし合わせてみると、1891年に御鉢が噴火した約4カ月後、愛知、三重両県などで最大震度6を観測したM8・0の濃尾地震が発生。5年後の96年に御鉢が再び噴火すると、3カ月後に岩手県を中心にM8・2の明治三陸地震が起き、2万1900人以上が犠牲となった。その後も1923年の関東大震災、2011年の東日本大震災などが噴火の数カ月後に起きている。

 武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地球物理学)に聞くと「直接の関係はない」と明確に否定。「今にも地震が起こりそうなほどエネルギーが蓄積している所なら噴火が地殻に影響を及ぼして地震を誘発する可能性もあるが、噴火で考えられる影響範囲は200キロ程度。関東などは離れすぎている」という。大地震の年以外でも噴火は度々発生している。福岡管区気象台地震火山課は「関連は分からない」との見解だ。

 逆に、島村特任教授は「東日本大震災が九州の火山の活発化に影響を及ぼしている可能性がある」と指摘する。1900年以降、世界でM9・0以上の地震が観測されたのはチリ地震(1960年)や東日本大震災など5例。東日本を除く4例で地震翌日から数年後までに周辺の火山で大規模な噴火が起きているという。火山の位置は震源から約千キロメートル以内の範囲で「東日本大震災の震源から千キロ程度には九州も入り、霧島連山のほか桜島や阿蘇山が大きな噴火を起こす可能性はある」という。

 東日本大震災で日本列島が乗っているプレート最上層の「基盤岩」が大きく動いており、南海トラフ巨大地震や、大分県が西端の主要活断層帯「中央構造線断層帯」で起こる地震などにも注意を呼び掛ける。

 気象台も、これまでM9クラスの大地震の後に噴火が起きたケースについて「地震の揺れでプレートのずれが生じ、地下の熱水やマグマの流れが変わったのではないか」とみている。

 気象庁は今月15日、御鉢の噴火の兆候がなくなったとして噴火警戒レベル2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げた。

 新燃岳については噴火警戒レベル3(入山規制)を維持し「活発な火山活動が続いている」として引き続き警戒を呼び掛けている。

=2018/03/26付 西日本新聞朝刊=

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