BCP策定は大学の1割だけ 災害時の業務継続計画 熊本地震2年、日大教授調査

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 全国の国公私立大で災害時に備えた業務継続計画(BCP)を策定したのは1割強にとどまることが、日本大危機管理学部の福田充教授らの調査で分かった。大学は東日本大震災の際に帰宅困難者を受け入れたり、熊本地震では避難所として開放されたりしているが、約6割がBCPを策定している大企業に比べて危機対策が遅れている。福田教授は「震災時、地域における大学の役割は大きい。学生の数も多く、早急な策定が望まれる」と話す。

 福田教授によると、全国の大学に危機管理の実態を尋ねたアンケートは初めて。昨年11~12月、国公私立778校に調査票を郵送し、244校が回答した。

 アンケート結果によると、独自の防災計画を「策定済み」は45・5%、「策定中」は13・1%。だが、BCPについては「策定済み」が9・4%、「策定中」は5・3%にとどまり、「策定を検討中」は44・7%、「策定はしない」は38・9%だった。

 内閣府の2015年度調査では、大企業は60・4%がBCPを「策定済み」、15・0%が「策定中」で、大学の備えの遅れが目立つ。

 BCPを策定しない理由(複数回答可)は、59・3%が「マンパワーが足りない」、53・4%が「専門的知識を持った教員、職員がいない」と回答。78・7%の大学は、危機管理の専門部署を設置していない。

 防災計画に基づいた訓練は、73・4%が定期的に実施しているものの、訓練内容(複数回答可)は「避難訓練」(95・9%)、「消火訓練」(85・8%)が大半で、「事前に内容を知らせない訓練」(6・1%)、「避難所運営訓練」(9・6%)など専門性の高い内容を実施している大学はほとんどなかった。一方、平常時の防災活動での消防や警察、町内会などとの連携は「特にない」が34・8%で最多だった。

 福田教授は「ほとんどの大学では危機管理体制が不十分で、地域との連携や協力も構築できていない。危機管理や防災に割ける人員も不足している」と指摘している。

◆業務継続計画(BCP)

 企業や自治体などが、自然災害や事故、テロなどの非常事態に遭遇した際に、業務を続けるために必要な態勢や手順をまとめた計画。BCPはビジネス・コンティニュイティー・プランの略。避難など災害発生時の応急対策を定める防災計画に対し、優先して再開する業務、原料調達・輸送の代替手段、従業員や取引先との連絡方法など、本格復旧までの段取りをあらかじめ定めることを主眼とする。

=2018/04/06付 西日本新聞朝刊=

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