【熊本地震2年】「みなし仮設」の孤独死16人 被災者点在、交流失われ孤立が深刻化

 熊本地震で自宅を失った被災者のため、自治体がアパートやマンションなどの民間物件を借り上げる「みなし仮設」で孤独死した人が熊本県内で16人に上ることが、県のまとめで分かった。みなし仮設は地震前の自宅から離れた地域に転居するケースが多いため孤立しやすく、比較的知人が多い仮設団地での孤独死1人を大幅に上回っている。みなし仮設の住民の交流を促す県の事業は活用例がなく、孤立の深刻化が懸念される。

 県によると、最初に孤独死が確認されたのは地震発生約3カ月後の2016年7月で、熊本市の40代女性だった。以降今年1月まで計16人が孤独死し、うち11人が男性。年齢は40~80代だった。県内18市町村は16年秋から「地域支え合いセンター」を設け、みなし仮設の被災者を定期訪問するよう努めており、支援員が訪ねていた人もいた。

 県などによると、2月末時点で仮設団地に入る被災者は9085人、みなし仮設は2万8557人。東日本大震災では仮設とみなし仮設の割合は5対6で、熊本はみなし仮設の割合が高いのが特徴となっている。

 県は17年6月、みなし仮設の10世帯以上が参加するイベントなどに年2万5千円を補助する事業をスタート。交流を促し、孤立化を防ぐ狙いがあったが、これまでに活用例はないという。被災者支援に取り組む熊本学園大の高林秀明教授(社会福祉学)は「10世帯も集まるのは難しく、要件が厳しすぎる」と指摘する。

 高林教授は熊本市の支援団体と連携し、2月から、みなし仮設の被災者の集会などに一般からの寄付金を配分する制度を実施。対象を3世帯以上とするなど間口を広げ、これまでに15件の支給を行った。

 ただ、みなし仮設で暮らす被災者への周知が課題となっており、イベント開催などに取り組む熊本市の小山昌子さん(81)は「自治体には個人情報なので被災者情報を教えてもらえず、交流を促したいが、所在がよく分からない」と話している。

=2018/04/11付 西日本新聞朝刊=

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