1年前に「特別警戒区域」 指定後の避難対策道半ば 耶馬渓・山崩れ

山側から見ると、土砂や岩が民家に押し寄せたのが分かる=11日午後3時12分(本社ヘリから)
山側から見ると、土砂や岩が民家に押し寄せたのが分かる=11日午後3時12分(本社ヘリから)
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 大分県中津市耶馬渓町金吉の現場は、土砂災害の恐れが高いとして同県が2017年3月、土砂災害防止法に基づく「土砂災害特別警戒区域」に指定した。危険性を住民に知らせ避難などに役立てる目的だが、対策は道半ばの状態だった。

 同法は1999年、広島県で死者24人を出した土砂崩れをきっかけに制定された。危険性が高い場所を「土砂災害警戒区域」、このうち危険度がさらに高い場所を「土砂災害特別警戒区域」に指定。市町村が地域防災計画に盛り込み、ハザードマップで住民に周知する。

 指定を受け、中津市防災危機管理課は本年度から金吉地区のマップづくりを始める予定だった。同課は「危険箇所であることは住民に伝えていた。より安全な避難路や避難所などの対策を、練り始めるところだった」と話す。現場には約25年前に県が設置した落石防止の柵が3基あったが、今回の山崩れで押し流されたとみられる。

 山がちな大分県には傾斜30度以上、高さ5メートル以上など警戒区域の要件となる「危険箇所」が1万9640カ所ある。県は05年度から基礎調査を始めたが、終えたのは3月末現在で58・9%にとどまる。県砂防課は「危険箇所が全国でも多く、財政負担も軽くない」と説明。19年度までに基礎調査を終え、20年度に全ての警戒区域指定を目指している。

=2018/04/12付 西日本新聞朝刊=

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