硫黄山250年ぶり噴火 えびの高原、宿泊客ら避難

写真を見る
霧島連山・硫黄山から上がる噴煙=19日午後5時30分ごろ、宮崎県えびの市
霧島連山・硫黄山から上がる噴煙=19日午後5時30分ごろ、宮崎県えびの市
写真を見る

 宮崎、鹿児島県境の霧島連山・えびの高原(硫黄山)で19日午後3時39分ごろ、小規模な噴火が発生した。気象庁は「活動が活発になる恐れがある」として、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げ、宮崎県えびの市は火口から約2キロを立ち入り規制した。

 同庁によると、硫黄山の噴火は1768年以来、250年ぶり。噴煙は高さ約500メートルまで上がり、周辺に噴石が飛んだ。地下水がマグマの熱で急激に膨張したことで発生する水蒸気噴火とみられる。レベル3になるのは2016年12月、硫黄山に噴火警戒レベルが適用されて初めて。政府は首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置した。

 宮崎県によると、火口から約1・2キロにある国民宿舎「えびの高原荘」の宿泊者や従業員が避難。鹿児島県は19日夕から、同県霧島市と宮崎県えびの市を結ぶ県道の一部を通行止めにした。両県によると、けが人や事故の連絡はない。

 霧島連山の新燃岳(しんもえだけ)では3月1日に小規模噴火が起き、同6日には7年ぶりとなる爆発的噴火が発生、その後も断続的に噴火が続くなど活動が活発化している。

 京都大の石原和弘名誉教授(火山物理学)は「地下でマグマが上昇し、2010年以降、霧島連山の地盤は膨張している。新燃岳と同様に、硫黄山も数年前から火山性地震や地熱活動が確認されており、当面は警戒が必要だ」と話した。

   ◇    ◇

GW前…観光ショック えびの高原、立ち入り規制

 250年ぶりに噴火した宮崎、鹿児島県境の霧島連山・えびの高原(硫黄山)では19日、2キロ圏にある観光、宿泊施設が噴火警戒レベル3への引き上げに伴って立ち入り禁止となり、各施設は慌ただしく全員を避難させた。観光地となっているえびの高原の立ち入り規制は初めてで「ダメージは計り知れない」と関係者はショックを受けている。

 宮崎県えびの市のえびの高原には、環境省の情報発信拠点・えびのエコミュージアムセンターや国民宿舎えびの高原荘、土産店など官民の6施設が点在する。

 宿泊施設のえびの高原荘では同日の宿泊客や従業員約20人を約6キロ離れた温泉施設へ急きょ避難させた。従業員は「ゴールデンウイーク(GW)の宿泊に期待していたので残念」と話していた。

 えびの市観光協会によると、新燃岳(しんもえだけ)の爆発的噴火で宿泊キャンセルが相次いだが、ゴールデンウイークを前に予約は回復基調だったという。えびの高原は今、ノカイドウの見頃を控えた時期。今月8日には山開きしたばかりだった。横手周太事務局長は「これからという時。今後どうなるのか予想もつかない」。観光客の足が遠のけば地元の雇用問題も起きかねない。「一日も早く沈静化してほしい」と祈るように話した。

 えびの市は硫黄山の噴火を受けて災害警戒本部を設置。村岡隆明市長は「市民は不安を感じている。正確な情報を提供し、規制内に人が入らないよう監視を強化したい」と強調した。

 一方、硫黄山から約6・5キロ離れた鹿児島県の霧島温泉郷では噴火の様子は見えず、観光客も普段と変わらない様子だったという。霧島市観光協会の新畑幸一事務局長は「新燃岳の噴火に続き、宿泊予定客が『危険だ』と誤解しないかが心配。風評被害につながらないでほしい」と話した。

=2018/04/20付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

ボートレース3連単直前予想

西日本新聞のイチオシ [PR]