まるで「下町ロケット」 小型ロボットが話題に たった2人で開発、きっかけは…

ロボットを動かして見せる(左から)松下順紀社長、上田晃平さん、白下和輝さん
ロボットを動かして見せる(左から)松下順紀社長、上田晃平さん、白下和輝さん
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 鹿児島県の金型部品会社が、二足歩行や体操などの動きができる小型ロボットを作り、話題を呼んでいる。地方の小さなメーカーが、培ってきた技術と社員の熱意で高品質の製品を生み出す過程は、ドラマ化もされた小説「下町ロケット」さながらだ。社員たちは「技術をさらに発展させたい」と夢を膨らませる。

 製作したのは、薩摩川内市の「樋脇精工」。社員30人で、プレス加工やスマートフォンなどの精密部品の金型を主に手掛ける。

 ロボット開発に着手したのは3年前。大手企業からロボット部品を受注したのを機に、松下順紀社長(66)が「どうせなら自分たちもロボットを作ろう」と呼び掛けた。「二足歩行する世界最小クラスのロボット」を目標に、機械設計が専門の上田晃平さん(37)が責任者に選ばれた。

 しかし、上田さんが技術を相談できる人は社内におらず、知識のある人を探して独学を重ねた。昨年4月、ロボットに必要な電子回路やプログラミングに詳しい白下和輝さん(21)が加わり、2人だけの「特命チーム」が誕生した。

 3年間で9台を試作。展示会直前、スイッチを入れると予定と違う動きをして焦ったこともある。金型製作の細かな技術を応用し、配線を細くするなどの試行錯誤の末、体高20センチ、重さ800グラムの3台が完成。3月に地元のイベントで初披露すると、子どもたちに驚きと笑顔が広がった。上田さんは「本当に作れるか不安だったが、苦労が報われた」と喜ぶ。

 ロボットは遠隔操作で歩いたり、片足立ちでボールを蹴ったり、3台が同じ動きを見せたりする。当面、子ども向けの技術紹介に活用するが、将来は搭載カメラで人の体調を判断できる介護用ロボットの開発も視野に入れる。

 松下社長は「若い2人がよく頑張った。ロボットを通じて、子どもたちがものづくりに興味を持ってくれたらうれしい」と話している。

=2018/04/21付 西日本新聞夕刊=

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