熊本地震の原因「布田川―日奈久」断層帯 中央構造線と連鎖、地震被害拡大の恐れ

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 熊本地震を引き起こした「布田川-日奈久断層帯」について、西日本を背骨のように貫き大分県内陸部まで延びる「中央構造線断層帯」と連鎖して動く可能性があるとの指摘が専門家から上がっている。熊本地震でも動かなかった布田川-日奈久断層帯の「未破壊区域」はエネルギーをため込んだままとみられ、地震が連鎖した場合、被害は広範囲に及ぶとみられている。

 政府の地震調査委員会は昨年12月、西日本を縦断する中央構造線を、従来の360キロから444キロに再評価。別府湾から大分県西部に至る「別府-万年山断層帯」を中央構造線に組み込んだ。中央構造線は複数の断層区間が連なってできており、昨年12月の長期評価では10区間から成る。このうち愛媛県内陸の区間が最も切迫していると予測され、マグニチュード(M)7・5が今後30年間に起きる可能性は最高の「Sランク(3%以上)」とされる。

 中央構造線の延長線上には「別府-島原地溝帯」があり、幅20~30キロにわたる地盤の溝が九州を横切るように分布。熊本地震の原因となった布田川-日奈久断層帯の一部もこの地溝帯に重なる。熊本地震は、中央構造線で起きる「右横ずれ」と同じ断層運動が見られたことなどから、高知大の岡村真名誉教授は「熊本地震も中央構造線の延長線上で起きたと考えるべきだ」と指摘する。

 熊本地震では大分県でも地震が発生。布田川-日奈久断層帯の動きが、地溝帯を通じて旧別府-万年山断層帯に伝わり、誘発されて動いたとされる。九州大の清水洋教授(地震学)は「大分と熊本の間には阿蘇山があり、地下のマグマが揺れを吸収するとみられるが、熊本地震のような大地震の場合は、マグマを超えて波及する可能性もある」という。

 清水教授によると、熊本地震で破壊されたのは、布田川-日奈久断層帯の一部にすぎず、未破壊区域では、人間が感知できないほどの小さな揺れが続いているという。清水教授は「未破壊区域を中心に、断層帯が単独で動いて地震が起きる可能性が大きい」としながらも「中央構造線の動きで九州でも地震が誘発される恐れがある」として警戒を呼び掛けている。

=2018/04/23付 西日本新聞朝刊=

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