17歳棋士、女流プロに 福岡市の水町さん5月デビュー 奨励会で挫折「もっと強く」と奮起

プロの女流棋士になる水町みゆさん。「最終的には女流タイトルに挑戦できるくらいに強くなりたい」と抱負を語る
プロの女流棋士になる水町みゆさん。「最終的には女流タイトルに挑戦できるくらいに強くなりたい」と抱負を語る
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 最年少棋士、藤井聡太六段(15)の大活躍などで将棋ブームが沸き起こっている中、福岡市の修猷館高2年、水町みゆさん(17)が「女流棋士」(女流2級)として5月1日付でプロデビューする。プロ棋士養成機関の奨励会で挫折を味わった後、「もっと強くなりたい」との思いで研さんを積んできた水町さん。女流タイトルという新たな目標へ挑戦の日々が始まる。

 水町さんは小1の頃、5歳違いの兄の影響で将棋を覚えた。小4の秋から福岡県大野城市の福岡将棋会館に通い始め、将棋にのめり込んでいった。

 小6の時、女子アマ王位戦で全国優勝。中2の時、西日本久留米王位戦の福岡都市圏地区予選で大人たちを打ち負かして地区代表になり本大会に初出場を果たすなど着実に力を付けた。そんな時、奨励会の下部組織に当たる九州研修会が2016年1月に福岡市に発足。中2の冬、水町さんは1期生として参加した。

 勝ち星を重ねて昇級し、中3の夏、「腕試しに」挑んだ奨励会入会試験に合格。奨励会6級として月2回、大阪の関西将棋会館での例会で真剣勝負に臨んだ。

 しかし奨励会は全国トップレベルの子どもが集まる場所。「やっぱりみんな強いな」。覚悟はしていたが、思うような成績を上げられず、昨夏に退会を余儀なくされた。ショックだった。「自分に甘さがあったのでは…」。立ち直るまでにしばらく時間がかかった。

 「とにかく将棋が好き。強くなりたいから続けてきたんじゃないか」と自らに言い聞かせて思い直し、昨年9月に再び九州研修会へ。一般のプロ棋士と資格が異なる女流棋士になるという新たな目標に向かって対局を重ねた。順調に昇級し、今年4月、女流棋士になる基準を満たした。

 「あっという間だったけれど、奨励会の厳しさやプロ棋士のすごさを思い知らされる、いい経験になった」と振り返る水町さん。当面の目標は学業との両立と「今より強くなること」。そして「最終的には女流タイトルに挑戦できるようになりたい」と力を込める。

 水町さんを小学生の頃から指導してきた福岡将棋会館館長で、九州研修会幹事の関口武史指導棋士五段(37)は「これから1、2年が重要な時期。持ち前の反骨心でたくましさを身に付けて頑張ってほしい」とエールを送る。

 【ワードBOX】女流棋士

 奨励会を経て四段昇段でプロ入りする一般のプロ棋士とは資格が異なる。全国4カ所にある研修会でB2クラスに昇級、または女流棋戦で好成績を挙げるなど基準を満たすとプロの女流2級の資格を得られる。現役の女流棋士は63人。九州出身は山口絵美菜女流1級(23)=宮崎県都城市出身、武富礼衣女流初段(18)=佐賀市出身=に次いで3人目となる。

=2018/04/25付 西日本新聞夕刊=

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