水俣病「救済は終わっている」チッソ社長発言 批判相次ぐ 株式上場に意欲 患者団体は反発

 水俣病の原因企業チッソの後藤舜吉社長は1日、水俣病犠牲者慰霊式後、記者団の取材に応じ、事業子会社JNC(東京)の上場と株式売却の条件となる「患者の救済終了」について、「私としては、救済は終わっている」との認識を示した。株式上場にも「できるだけ早くした方が患者さんも安心できる」と意欲を示したが、患者団体は「時期尚早だ」と反発している。

 チッソはJNCを上場し、株式の売却益を被害者補償や債務返済に充てる計画。しかし、2009年の水俣病被害者救済法で国が承認条件に「救済の終了」と「市況の好転」を挙げており、先行きが見通せない状況が続いている。

 中川雅治環境相は式典後、水俣市での記者会見で後藤社長の発言について「多くの方が公害健康被害の認定申請をし、訴訟が提起されている状況で救済の終了とは言い難い。今は株式上場を承認できる状況にはない」との考え方を示した。

 後藤氏は水俣病公式確認翌年の1957年にチッソ前身の新日本窒素肥料に入社し「水俣病を知る唯一の現役」とされる。93年に社長就任、03~11年に会長を務めて最高顧問に就き、昨年6月に社長に復帰した。

=2018/05/02付 西日本新聞朝刊=

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