九州豪雨で初の「長期避難世帯」認定へ 朝倉市の4行政区

道路が崩れ、倒壊した家屋がそのままの黒松区・真竹集落=福岡県朝倉市
道路が崩れ、倒壊した家屋がそのままの黒松区・真竹集落=福岡県朝倉市
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 昨年7月の九州豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市の疣目(いぼめ)、黒松、乙石、中村の4行政区(計約50世帯)は、被災者生活再建支援法に基づく「長期避難世帯」の認定申請を市から打診を受け、同意した。市は近く県に申請し、県は認定する見込み。山あいの川沿いにある4行政区は、関係者が入域するための仮設道が造られたが、大雨ですぐに水没する箇所があり、市は交通が寸断された状態とみなせると判断した。九州豪雨では初認定となる。

 長期避難世帯は、災害により危険な状態が続き、家に住めない期間が長期に及んでいる場合に、「自宅が壊れていなくても帰れないという人を救済する」(福岡県)ために都道府県が地域を認定する制度。認定されると、農作業などで入ることはできるが居住はできなくなる。地域内の世帯は家が壊れていなくても最大300万円の支援金が支給され、全壊などで既に支援金を満額受給している場合は新たな支給はない。

 4行政区は各10~15世帯ほどあり、黒松区には黒松と真竹の二つの集落がある。いずれの行政区でも、豪雨により川沿いの多くの住家が濁流で流され、被害がなかった世帯も含め、ほとんどの世帯が仮設住宅などで避難生活を送っている。

 朝倉市は既に4行政区の全世帯の意向を聞き取った。これから梅雨期を迎え、二次被害の危険性がさらに強まる恐れがあることから、長期避難世帯認定の申請に踏み切る。また県と朝倉市は、4行政区以外にも認定対象となり得る地域があるとして住民の意向を踏まえて協議している。

 一方、認定解除も市町村からの申請を受けて県が判断するが、4行政区一帯の防災工事は数年程度かかる見込みで、解除のめどは立っていない。解除までの期間が長引けば「元の場所での自宅再建を諦める人が続出し、コミュニティーが崩れる」との懸念もある。

 長期避難世帯は2年前の熊本地震でも、熊本県が御船町と宇土市の計123世帯を認定している。360世帯が認定された同県南阿蘇村立野地区は昨年10月末に解除された。

=2018/05/14付 西日本新聞朝刊=

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