職員の7割超がストレス訴え 熊本地震の復興業務 休退職や自殺事例も 自治労が調査

熊本地震の発生直後、暗闇の中で話し合う役場職員たち。被災自治体では仕事量が急増した=2016年4月16日
熊本地震の発生直後、暗闇の中で話し合う役場職員たち。被災自治体では仕事量が急増した=2016年4月16日
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 熊本地震で被災した熊本県内の自治体で、復興業務を担当する職員の7割超がストレスを訴え、約2割が健康悪化を感じていることが、自治労などの調査で分かった。地震発生から2年が経過し、業務量の増加や長時間労働が慢性化。自治体関係者によると、心身の疲労を理由にした休退職や、遺族の意向などで公務災害と認定されていない自殺事例も出ている。

 調査は1月、熊本県庁と熊本地震の被害が甚大な10市町村の職員を対象に行った。回答者4002人のうち復興業務従事者は881人。うち73・4%(647人)がストレスを「非常に感じている」「ある程度感じている」と答えた。理由は、「復興業務の仕事量が多く労働時間が長い」「住民から過剰な要求がある」「仕事の配分が不公平」の順で多かった。現在の健康状態は、23・4%(206人)が「やや悪い」「非常に悪い」と答えた。

 地方公務員災害補償基金熊本県支部は、災害対応に追われて病気やけがをした職員計23人について、地震に絡む公務災害と認定。2016年5月に自殺した阿蘇市の男性職員も公務災害に認定された。自治体関係者によると、他にも復興業務に従事し自殺した職員が複数いるが、遺族が申請をためらう事例もあり、正確な数は不明という。

 復興業務担当職員の休退職も判明分だけで県内計10人。国民健康保険料の減免申請窓口や災害ごみ処理業務などの担当者で、業務増や心的負担が理由という。

 被災自治体は復興の加速や職員の業務量軽減などのため、県外の自治体に応援職員の派遣を要請しているが、他の被災地への派遣などを理由に確保が難航。県によると、被災自治体11市町村は本年度計196人の派遣を求めたが、4月時点で派遣が決定したのは約6割の117人にとどまる。

 自治体職員の過重労働は東日本大震災でも問題化しており、東北大大学院の若島孔文准教授(臨床心理学)は「終わりが見えない業務は達成感を得られにくく、燃え尽きるリスクが高まる。周囲が目配りし、口数が減ったり表情が沈んだりする変化に気付くことが重要だ」と指摘する。

=2018/05/14付 西日本新聞朝刊=

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