若者の“お寺離れ”に危機感…お坊さんが奮闘 焼香ポスターがツイッターで反響

にぎわいを見せた教念寺のお寺マルシェ
にぎわいを見せた教念寺のお寺マルシェ
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盆法要で参拝を呼び掛けた永明寺のポスター
盆法要で参拝を呼び掛けた永明寺のポスター
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週末に僧侶BARを開く浄泉寺副住職の渡辺晃司さん
週末に僧侶BARを開く浄泉寺副住職の渡辺晃司さん
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 「お寺をつながりの場に」-。人目を引くポスターを掲示して参拝を呼び掛けたり、お坊さんがカフェで悩み相談に応じたりと、工夫を凝らして「寺」を発信する取り組みが北九州市で広がりつつある。背景には、全国的に進む門徒や檀家(だんか)の高齢化や、若い世代の「お寺離れ」に対する危機感があるようだ。

 「お盆だよ!全員焼香」。サングラスを掛けた一見、こわもてのお坊さんが焼香するポスターには「どなたでもご参拝いただけます」との記載もある。

 八幡東区川淵町の永明寺住職、松崎智海さん(42)は昨夏、自身をモデルに盆法要を呼び掛けるポスターを寺の掲示板に設置。ツイッターでも紹介し、反響を呼んだ。

 松崎さんは高校教員を2014年に辞め、実家の寺に戻った。「本堂はがらんとして、法要のにぎやかさはもうなかった。強い焦りを感じた」と振り返る。

 今はツイッターなどで情報発信するほか、ヨガや絵手紙などの講座や講演会、ライブ活動などにも本堂を貸す。

 松崎さんは「『お坊さんの話が聞いてみたい』と思ってもらえるよう、地域にとって必要な場所でありたい」と言う。

 八幡西区引野の教念寺は4月中旬、「お寺マルシェ(市場)」を開催。雑貨やアクセサリー、線香などの10店舗が出店し、女性客らが買い物を楽しんだ。

 寺は釈迦(しゃか)の誕生日(4月8日)に合わせ、昨年からこの時期にマルシェを開く。企画した古賀哲乗住職(58)の妻、恭子さん(53)は「お寺は行きやすく、仏様を拝むと、気持ちが落ち着く場所であることを知ってほしい」と話した。

 小倉北区馬借の喫茶店「こぐま舎」は金、土曜の夜、「僧侶BAR(バー)」になる。浄泉寺(小倉南区井手浦)の副住職、渡辺晃司さん(33)がカウンターに入り、客に「説法メニュー」を差し出す。メニューには「しあわせ」や「苦しみ」「働く」などの言葉が並び、客が選ぶ仕組みだ。

 人気メニューは「ご縁」で、恋愛や職場の人間関係で悩む人から“オーダー”があるという。

 自身の取り組みについて渡辺さんは「出て行くお坊さん、迎えるお寺」とスローガンに掲げる。「寺はもともと地域コミュニティーの場。再構築するためにこちらから一歩踏み出し、仏教の面白さや宗教的価値観を示していきたい」と力を込めた。

=2018/05/22付 西日本新聞夕刊=

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