日航機部品10ヵ所に落下 益城、医院や車を直撃 熊本空港発

日航機から落下した部品で損傷したとみられる益城整形外科医院の窓ガラス=24日午後8時24分、熊本県益城町
日航機から落下した部品で損傷したとみられる益城整形外科医院の窓ガラス=24日午後8時24分、熊本県益城町
写真を見る
写真を見る

 24日午後3時55分ごろ、熊本空港を離陸した羽田行きの日本航空632便ボーイング767(乗客乗員217人)の左エンジンに不具合が発生、同機は空港に引き返し、緊急着陸した。熊本県警によると、空港から南西約9キロの同県益城町安永の約10カ所に機体の部品とみられる約5センチ角の金属片が落下。整形外科医院の窓ガラスや軽乗用車が破損した。けが人は確認されていないという。

 国土交通省によると、機体は左エンジンのタービンブレード(羽根)が損傷、エンジンを覆うケースに長さ約9センチの穴が確認された。同省は事故につながる恐れのある重大インシデントに該当すると判断。運輸安全委員会は25日、航空事故調査官3人を熊本空港に派遣する。

 県警御船署によると午後4時すぎ、益城町の整形外科医院から「窓ガラスが割れた」と交番に通報。午後5時すぎには男性から「パラパラという音がして金属片が落ちている」と通報があった。金属片は銀色で数字やアルファベットが刻印されているものもあった。

 日本航空や国交省熊本空港事務所によると、同機は午後3時52分に熊本空港を離陸。機長と副操縦士が機体の異常な振動に気付き、エンジンの排気温度が上昇していることを確認、同4時17分に緊急着陸した。乗客209人は熊本発の最終便に乗り換えたほか、一部は福岡空港までバスで移動し、羽田空港に向かった。後続の3便の発着に遅れが出た。

「もし当たっていたら」住民、驚きと戸惑い

 「ビシッという大きな音がした。びっくりして窓を見ると、ガラスにひびが入っていた」。24日夕、日航機の部品とみられる金属片が落下した熊本県益城町の整形外科医院。1階の処置室で患者を診察していた院長(69)は驚きを隠さなかった。

 当時、処置室には看護師や患者が10人以上いた。窓の近くや屋上、ベランダでも5センチほどの金属片が見つかり、駐車場に止めていた職員の軽乗用車のフロントガラスにもひびが入っていた。山本院長は「いたずらかと思ったが、まさか飛行機から落ちたとは。けが人が出なくて良かった」と胸をなで下ろした。

 近くで生花店を営む男性(41)は「店にいたら屋根にパラパラと何かが当たる音がしたので(阿蘇山の)火山灰か何かかと思った。子どもが外で遊んでいた時間なのでもし当たりでもしていたらと思うと怖い」と話した。

 医院から約100メートル離れた自宅にいた女性(72)によると「ひさしにひょうが降ったかのような音」が突然聞こえ、5分間ほど続いたという。驚いて外に出ると、20個ほどの銅のかけらのようなものが地面に落ちていた。

 現場は、2016年4月に起きた熊本地震の被害が大きかった被災地。「阿蘇の噴火か、また地震が起こったのかと怖かった。どこに逃げようかと戸惑った」と女性。約30分後、航空会社の職員が破片を回収していったという。

=2018/05/25付 西日本新聞朝刊=

西日本新聞のイチオシ [PR]

西日本新聞のイチオシ [PR]