新規参入の屋台、勝負の2年目へ 経営厳しく設営負担も想像以上 早くも廃業店が…継続に課題

国内外の客でにぎわう新規参入屋台。店ごとに特徴を磨く=福岡市博多区
国内外の客でにぎわう新規参入屋台。店ごとに特徴を磨く=福岡市博多区
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 福岡市の公募で昨年春に新規参入した屋台が、スマートフォンで支払いができたり、斬新なメニューを用意したり、従来の屋台になかった発想で福岡の夜を盛り上げている。一方で参入後に廃業する屋台もあり、経営の厳しさにも直面している。試行錯誤をしながら勝負の2年目に入った。

訪日客狙いスマホ決済

 福岡市の屋台105店のうち、昨年4月以降に開業したのは23店。博多区中洲の那珂川沿いにある「博多屋台 中洲十番」のメニューは日英中韓の4カ国語表記。支払いは交通系のICカードだけでなく、スマホの2次元コードによる決済「ラインペイ」や「楽天ペイ」が使える。

 中国で普及している「アリペイ」「ウィーチャットペイ」にも対応しているので、中国人客はほとんどがスマホで会計を済ませる。別の屋台で10年間働いた店主の田中博臣さん(44)のアイデアで、売り上げの約15%が電子決済になった。

ジビエにエスカルゴ 斬新メニューも

 屋台のイメージを覆す料理で勝負する店もある。中央区の天神ロフト前の「情熱の千鳥足」の自慢は、イノシシ肉を使ったラーメンなどのジビエ料理。福岡市を年に数回訪れる那覇市の自営業上原義和さん(58)は、シカ肉のソーセージを食べながら「屋台でジビエ料理が食べられるとは思わなかった」と満足顔。ふぐの天ぷら、あごだしうどん、エスカルゴが味わえる店も加わった。

公募合格も5人辞退、参入後2人廃業

 福岡市内の屋台は1960年代に400店を超えたが、年々減少。市は条例に反する「名義貸し屋台」をなくし、一定数の屋台を維持するため、2年前に初めて新規参入者を公募した。108人が応募し、28人が4倍近い競争を勝ち抜いて合格したが、5人が辞退。2人が開店後に廃業した。

 福岡市移動飲食業組合の佐藤光義組合長(62)は「新規参入した屋台をどう長続きさせるかが課題だ」と指摘する。新規参入者にとって、屋台を毎日設営する労力は想像以上の負担になっているという。

 市によると、屋台の経済波及効果は推計53億2300万円(2011年)。屋台文化を継続させるため、市は新規参入屋台の店主や利用客の声を聞き、対策を練る。

=2018/05/28付 西日本新聞朝刊=

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