「ドン」という異常音、運転士は報告せず 新幹線人身事故 JR西日本副社長が謝罪

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 山陽新幹線博多-小倉間の線路内でのぞみ176号が人をはねた事故で、JR西日本の平野賀久(よしひさ)副社長らが15日、大阪市の本社で記者会見し、50代の運転士が異音を聞きながら運転指令に報告していなかったことを明らかにした。社内マニュアルでは異音を感知した段階で報告すべきだったと謝罪。「小倉駅で止める判断が望ましかった」などと説明した。

 会見で平野副社長は「今回は至らなかった点があり、約4万人の利用者にご迷惑をお掛けした。安全を確認できなければ、迷わず止める対応を徹底したい」と述べた。

 同社によると、のぞみの運転士は14日午後2時5分ごろ、「ドン」という異音を感知したが、動物の衝突と判断し運転指令に報告しなかった。平野副社長は「運転士がマニュアルの内容を忘れていたか、間違った理解だったかは、はっきりしない」として引き続き調査する考えを示した。

 JR西によると、北九州市の小倉駅ホームでは駅係員が車両先頭部にある血のり、ひび割れのようなものに気付いていたが、大きな異常とは認識せず、出発後に運転指令に報告していた。同駅で乗降客を確認し、発車の判断を出した30代の係員は経験が2カ月ほどだったという。

 一方、はねられた男性は、高さ約15メートルの高架まで作業用の足場を使い線路内に侵入。足場の一部は侵入防止カバーで覆い、鍵がないと使えない仕様だったが、よじ登ったとみられる。同社はカバーを大きくしたり、敷地への侵入を防ぐ防護柵を高くしたりすることを検討課題に挙げた。

 衝突で一部破損した新幹線の先頭部はプラスチック製。傷は縦70センチ、横35センチ、奥行き45センチ程度で、重さ約3・5キロ分が欠落した。JR西は、走行中に落下しても本体の動力で粉砕されるため「ただちに安全性を低下させる状態ではなかった」とし、脱線などの可能性は否定した。

=2018/06/16付 西日本新聞朝刊=

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