「耶馬渓は元気」世界発信 ジョーキーボールW杯出場の松崎さん

大規模山崩れの現場近くで健闘を誓う松崎さん。ユニホームのパンツには「頑張ろう!耶馬渓」のロゴが入る=大分県中津市
大規模山崩れの現場近くで健闘を誓う松崎さん。ユニホームのパンツには「頑張ろう!耶馬渓」のロゴが入る=大分県中津市
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 壁にボールをバウンドさせるなどしてゴールを狙うサッカー「ジョーキーボール」世界大会(7月、カナダ)に、大分県中津市耶馬渓町出身のスポーツトレーナー、松崎智大さん(31)が日本代表として出場する。6人の犠牲者を出した4月の大規模山崩れ現場の近くに実家があり、「地域一丸で応援したい」と地元企業がスポンサーに名乗り出た。松崎さんは「勝って元気な耶馬渓を世界に発信したい」と意気込んでいる。

 小学校時代にサッカーを始めた松崎さんは、強豪柳ケ浦高(同県宇佐市)でMFとして活躍。就職したダイハツ九州(中津市)や地元チームでもプレーし、現在は福岡市でトレーナーをしている。

 ジョーキーボールとの出合いは昨年2月。サッカーJ1「ガンバ大阪」などで活躍した松岡康暢さんに誘われたのがきっかけ。局面が次々に変わる特有のスピード感に魅了され、練習を重ねて、昨年も日本代表として世界大会に出場。予選リーグで敗退した。

 今年の世界大会に懸ける意気込みは違う。山崩れで亡くなった岩下義則さん=当時(45)=は、幼い頃から頼りにする兄貴分だった。実家の水田は岩下さんの田んぼの隣で、水路の掃除や草刈りなどでいつも岩下さんの世話になった。「足が悪い父を思い、黙って全部してくれる、そういう人でした」と唇をかむ。

 災害で「耶馬渓は危険」という風評が広がり、地元観光業も大きな打撃を受けた。「ワールドカップ(W杯)で活躍し、元気で安全な耶馬渓を発信したい」と話す。

 今回、国別とクラブ別のそれぞれの日本代表として出場。地元の下郷農協と喫茶「豆岳珈琲」は、クラブチームのユニホームスポンサーに名乗り出てくれた。豆岳珈琲のオーナー古岡大岳さん(46)は岩下さんと同級生。松崎さんは「みんなで災害から立ち上がろう」との思いを込め、「頑張ろう!耶馬渓」の文字をユニホームに刻んだ。

 「義則おいちゃんも背中を押してくれている。耶馬渓のみんなのために戦う」。日本ジョーキーボール協会の幹部が「今年は国別で優勝も夢ではない」という世界大会は、7月4日(現地時間)に始まる。

=2018/06/21付 西日本新聞夕刊=

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