玄海2号機の存廃焦点に 再稼働→多額の安全対策費 廃炉作業→長期の重い負担

2号機(右から2番目)の扱いが焦点となる九州電力玄海原発。右から順に1~4号機で、3、4号機は再稼働している=16日、佐賀県玄海町
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 九州電力が玄海原発(佐賀県玄海町)の3号機と4号機を再稼働し、今後の焦点となるのが、再稼働か廃炉かが決まっていない2号機の扱いだ。再稼働に必要な多額の安全対策費が回収できるのか-。原発の運転期間とされる設置40年を2021年に控え、判断の期限が少しずつ迫っている。

 「他機の再稼働でなかなかマンパワーも足りず、検討が進んでいない。当面は(川内1、2号機と玄海3、4号機の)4基で進んでいくんだろうと思う」。九電の次期社長に就任する池辺和弘取締役は4月、玄海2号機について、こう述べた。

 東京電力福島第1原発事故を受け、国は原発の運転期間を原則40年と規定した上で、原子力規制委員会の認可が得られれば、1回に限り最長20年延長できるとした。規制委への申請期限は“期間満了”の1年前。1981年3月に運転開始した玄海2号機は2020年3月となる。

 延長には安全対策を強化した新規制基準に適合する必要がある。九電によると、新規制基準を踏まえて川内1、2号機と玄海3、4号機に投じた安全対策費は計9千億円超。1基あたり二千数百億円の計算だ。

 再稼働すれば火力発電の燃料費削減効果を生むが、玄海2号機の出力は55万9千キロワットと、3、4号機(それぞれ118万キロワット)などに比べて小さい。延長の経済性をどう評価するのか、判断は分かれる。「正直言って社内にもいろいろな意見がある。最後は経営判断だ」。ある九電幹部は話す。

 廃炉を選んでも、作業は長期間にわたり、電力会社の負担は重い。17年7月に廃炉作業が始まった玄海1号機は現在、解体に向けた準備作業が続く。原子炉格納容器内に、冷却水が循環する配管や機器に付着した放射性物質を化学薬品で洗浄する除染装置を設置し終え、21日からは除染作業を始めた。だが、廃炉の完了見込みは25年先の43年度。発生する放射性廃棄物の処分先も決まっていない。

 九電は7月1日、玄海1号機の廃炉に関わるグループを部署に格上げする。“廃炉時代”に向けた体制づくりを本格化させる狙いだ。別の九電幹部は「原発4基が動いたが、今後は何十年も廃炉に携わらないといけなくなる。長期的に人材や技術を継承していかないといけない」と語る。

=2018/06/22付 西日本新聞朝刊=

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