「故郷・日本、勝って!」 ロシア・エカテリンブルクの残留孤児、祖国代表に声援 W杯セネガル戦

5月末に来日した際、W杯についての思いを語る日本人残留孤児でエカテリンブルク在住のニーナさん
5月末に来日した際、W杯についての思いを語る日本人残留孤児でエカテリンブルク在住のニーナさん
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 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、24日午後8時(日本時間25日午前0時)開始の日本-セネガル戦を心待ちにする在ロシアの日本人残留孤児の女性がいる。試合が開催されるエカテリンブルクに住むニーナ・イバーノブナ・ポリャンスカヤさん(推定年齢73)だ。

 「日本は私の故郷。代表チームが来るのが楽しみ」と話すニーナさんは、終戦直後の1945年8月17日に中国の黒竜江省牡丹江市付近にあった日本軍のトーチカで両親らしい男女の遺体の下で泣いているところを旧ソ連兵に発見された。出生などに関する手がかりはなく、看病した看護師の養子となって施設を転々とした。

 見つかった際は生後14カ月程度とみられ、誕生日は発見された日から1年前とされた。2004年に厚生労働省が初めての在ロシア日本人残留孤児の一人として情報を公開。日本での出自は今も不明だが、年に1回祖国を訪れて北海道や日光などを観光。今年は5月末に浅草などを訪れた。

 14年のソチ五輪では「フィギュアスケートで羽生(結弦)選手を応援した。日本の選手は気にかけています」と話す。ただ、ロシアでのW杯開催は漠然と耳にしていたものの、当初は「男性のスポーツ」とあまり興味がなかったという。

 W杯の開幕が近づき、母国の日本がエカテリンブルクで試合を行うことを聞いた。ニーナさんも「すごく興味が湧いてきた」が、チケットの入手は困難だった。試合は自宅でテレビ観戦する予定で「どうして前もって調べておかなかったのかしら」と残念がる。

 ロシア中部のエカテリンブルクは人口約150万人の大都市だが、日本人を見かける機会は少なく「街が世界に開かれるのもうれしい」と話す。若いころは栄養失調もあって病気を繰り返し、最近は足を骨折し、目も手術したニーナさんは「今はもう大丈夫。日本に1-0で勝ってほしいわ」と期待を込めて予想した。(エカテリンブルク末継智章)

=2018/06/24付 西日本新聞朝刊=

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