土砂や濁流、福岡県内襲う 門司の不明夫婦、夜通し捜索 次女「今は信じるだけ」 西日本大雨

土砂崩れの発生から一夜明けた現場付近。警察に案内され、現場近くの自宅の様子を見に来る人の姿もあった=7日午前9時ごろ、北九州市門司区奥田(撮影・諏訪部真)
土砂崩れの発生から一夜明けた現場付近。警察に案内され、現場近くの自宅の様子を見に来る人の姿もあった=7日午前9時ごろ、北九州市門司区奥田(撮影・諏訪部真)
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一時孤立した夜須高原青少年自然の家から学校へ戻るため、バスに乗り込む子どもたち=7日午前9時45分、福岡県筑前町
一時孤立した夜須高原青少年自然の家から学校へ戻るため、バスに乗り込む子どもたち=7日午前9時45分、福岡県筑前町
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 「数十年に1度」とされる異常な雨が山肌を削り、いつもは穏やかな川を濁流に変えた大雨から一夜明けた7日、福岡県内各地の災害現場で行方不明者の捜索や復旧活動が続いた。

 家屋に土砂が流れ込んで60代の夫婦2人が安否不明になった北九州市門司区奥田の土砂崩れ現場では、警察、消防、自衛隊が約150人態勢で夜通しの救出作業を続けた。現場は急斜面に家が立つ住宅地。一緒に在宅していた30代の長女は無事だったが、6日朝の発生から24時間が過ぎても2人は見つからず、家族や避難先から戻った住民たちが祈るような思いで捜索を見守った。

 夫婦の次女(32)によると、母親が避難しようと靴を履いていたときに大きな音がし、土砂に巻き込まれたという。次女は「今は助かるのを信じるだけです」と涙ぐみながら語った。長男(38)は「妹は電話で『ごめんね、ごめんね』と言っていた。こんなことになるとは…」と天を仰いだ。

 福岡県警門司署によると、2階建ての1階部分が天井付近まで土砂で埋まり、捜索は難航している。家は土砂が流入して傾いており、捜索関係者は「足場が非常に悪く、苦労している」と疲労感をにじませた。

筑前町 一時200人孤立

 福岡県筑前町の国立夜須高原青少年自然の家では、土砂崩れで周辺道路が寸断され、6日から1泊2日で宿泊体験中だった同県うきは市の江南小児童49人と教員6人、大雨のため避難してきた地区住民20人など計115人が一時孤立した。

 7日未明から自衛隊などが出動して路上の土砂撤去を急ぎ、明け方までに孤立状態が解消。児童らは午前9時半すぎ、到着した小型バス2台で学校へ戻るため自然の家を離れた。江南小によると、児童は館内でスギ板に絵を描くなど、落ち着いて過ごし、夜もぐっすりと眠ったという。

 近くにある障害者支援施設「第二野の花学園」(堤正直施設長)も、6日夕から7日朝まで孤立状態に。帰宅できなくなった職員や消防団員ら15人が、70人の入所者と不安な夜を過ごした。

 入所者には通常の食事を提供し、職員らは備蓄の非常食を食べた。学園支援課長の大坪哲平さん(43)は「普段はいない職員がいることで入所者が動揺しないよう、『ちょっと仕事でね』などと説明した」と話した。堤施設長(44)によると混乱はなかった。

 6日午後に浸水した福岡県小郡市大保のイオン小郡ショッピングセンターでは7日朝から社員らが出勤し、復旧の準備を始めた。水は引いているが、当面は営業を見合わせるという。

=2018/07/07付 西日本新聞夕刊=

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