須藤靖明さん死去 「阿蘇」研究半世紀の火山学者 「九州に原発そぐわず」警告も

須藤靖明さん
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 熊本県の阿蘇火山を半世紀以上にわたり研究してきた火山学者の須藤靖明(すどう・やすあき)さんが15日午後、病気のため熊本市の熊本大病院で死去した。74歳。東京都出身。葬儀・告別式は18日正午から熊本市北区楠3の2の30、平安祭典熊本北会館で。喪主は妻真理子(まりこ)さん。

 阿蘇火山の地下構造や、阿蘇特有の火山性微動に通じ、近年は大規模噴火の可能性と原発の問題に言及するなど、学界や世論に影響を与えた。

 京都大で地球物理学を専攻。大学院生時代から阿蘇山麓にある同大火山研究センターで火山地震研究一筋に歩き、中岳の爆発・噴火のサイクル、高温の火口湖の仕組みなどの解明に取り組んだ。活動を続ける中岳のマグマだまりの位置を「火口西方約3キロの草千里ケ浜の地下」と突き止めた。

 京都大助教授を退官後は阿蘇火山博物館の学術顧問に就任。2014年には東日本大震災で得た教訓を基に「原発と火山」(櫂歌書房)を出版した。震災が活火山の活動にも影響を及ぼし、「比較的静穏だった日本の火山活動が長い眠りから覚めさせられ、活発な活動が続発する懸念を与えつつある」と指摘。「巨大噴火活動の発生も考えられる火山島の九州に原発はそぐわない」と警告した。

 14年2月~4月、本紙に聞き書き「火山とともに」が連載された。

=2018/07/16付 西日本新聞朝刊=

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