原料メーカーにも責任 茶のしずく訴訟の福岡地裁判決 3社に賠償命令

 「茶のしずく石鹸(せっけん)」の旧製品を使い、小麦アレルギーを発症したとして、福岡県などの20~70代の男女20人が、販売会社「悠香」(同県大野城市)など3社に製造物責任法(PL法)に基づく計3億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁(岡田健裁判長)は18日、3社に計約5735万円の支払いを命じた。小麦由来成分にも欠陥があったとして、原材料メーカー「片山化学工業研究所」(大阪市)の責任を認めた判決は全国で初めて。

 他の1社は製造元の「フェニックス」(奈良県)。原告のうち14人の賠償額は重篤性などに応じて1人当たり約250万~330万円。悠香、フェニックスと和解が成立していた6人には、片山化学工業研究所のみに同約251万~275万円の支払いを命じた。

 岡田裁判長は「通常有すべき安全性を欠いていた」として欠陥を認定。アレルギーの原因は小麦由来成分ではなく、用法違反にあるとした片山化学の主張は「洗顔せっけんの原材料としての用途、用法は想定の範囲内」などと退けた。被害の発生も科学的知見を総合すれば認識できたとした。

 弁護団の朝見行弘弁護士は「片山化学の責任を認めた判決は高く評価できる」。福岡市の原告の女性(30)は「6年間闘ってきた意味があった」とした上で、アナフィラキシーショックの発症については認められず、控訴する方針を示した。

 悠香は「判決を真摯(しんし)に受け止め、内容精査の上で対応を決めたい」、フェニックスは「判決を見ていないためコメントは差し控えたい」。片山化学の代理人弁護士は「法律的に問題のある判決。直ちに控訴をする予定だ」とコメントした。

=2018/07/19付 西日本新聞朝刊=

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