長崎誘致に意気込み カジノ法20日成立 佐世保市民中止求める声も

専用テーブルを使ったブラックジャックの授業
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 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案が19日、参院内閣委員会で可決され、法成立が確実となったことを受け、ハウステンボス(長崎県佐世保市、HTB)への誘致を目指す同県内の関係者からは「ようやくスタートラインに立てた」と安堵(あんど)の声が上がり、あらためて激しさを増す誘致活動への意気込みをみせた。

 今後は当面、上限3カ所の整備箇所選定に向け、誘致活動を積極的に進めている大阪や北海道、和歌山などとの競争が本格化する。長崎県IR推進室の担当者は「誘致に向けた準備の進み具合は大阪に続く速さだ」と自信をみせる。ただ「整備法成立後に大都市が手を挙げてくれば、大きなライバルになる」と警戒も。実際、最近になって名古屋市が誘致を検討すると表明しており、法成立後の競争激化は確実だ。

 10年以上前からカジノ設置構想を掲げるHTB。関係者からも、他都市との競争を意識した発言が相次いだ。同社の高田孝太郎取締役は「IRの地方創生効果を一番示せるのが長崎」とする一方、「目の前の大村湾を生かした『海中カジノ』をつくるぐらい、他地域と違う特徴のあるものにしたい」。市担当者も「『佐世保でやりたい』という事業者が現れるように、魅力ある受け入れ態勢を整えたい」と話す。

 一方、佐世保市民の間には施設の採算性やギャンブル依存症に対する懸念が根強い。19日、同市内の市民団体などが、市に誘致中止を申し入れた。参加した市民らは「永久にもうかる事業じゃない。撤退すれば失業者が出る」などと述べた。

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ディーラー養成学校も「歓迎」 福岡市

 IRの中心施設であるカジノの進行役「ディーラー」を養成する民間スクール「日本カジノ学院福岡校」(福岡市博多区)の講師、北川裕一さん(25)は「急増する訪日外国人の娯楽としてカジノを定着させたい。地域活性化にも寄与できるはずだ」と歓迎する。

 2014年に創設された同学院は、福岡のほか、東京、大阪、名古屋、札幌に計6校を展開。福岡校は今年4月に開校し、10~30代を中心に約30人が通う。ルーレット、ブラックジャック、バカラ、ポーカーの4種類のゲームが学べ、受講料は約60万円。受講生の6割が女性だ。

 北川さんによると、民間スクールはもう一校あり、両校を合わせた卒業生は約千人。ただ、カジノ1カ所で3千~4千人のディーラーが必要とされており、北川さんは「全く足りない状態」という。

 6月から福岡校に通う福岡市南区の宮内真由子さん(29)は、米国留学の経験があり、シンガポールや韓国でカジノを体験。英語を生かした仕事をしたいと同校の門をたたいた。親からは心配されたが「お客さんの出入りはチェックされており、入場料も必要。誰でも入れるパチンコなどよりよほど安全だと思う」と話していた。

=2018/07/20付 西日本新聞朝刊=

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