対馬経由ビートル就航、博多-釜山 初の「混乗便」島民歓迎 国内旅客と国際旅客同乗

長崎県対馬市の比田勝港に寄港した、韓国・釜山発博多行きのビートルに乗り込む対馬の住民たち=23日午前10時ごろ
長崎県対馬市の比田勝港に寄港した、韓国・釜山発博多行きのビートルに乗り込む対馬の住民たち=23日午前10時ごろ
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混乗便歓迎セレモニーで「世界でも類を見ない取り組みで、感無量だ」と喜びを語るJR九州高速船の水野正幸社長=23日、福岡市
混乗便歓迎セレモニーで「世界でも類を見ない取り組みで、感無量だ」と喜びを語るJR九州高速船の水野正幸社長=23日、福岡市
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 福岡市の博多港と韓国・釜山港を結ぶ高速船「ビートル」を運航するJR九州高速船は23日、一部の便が長崎県対馬市の比田勝(ひたかつ)港を経由し、国内旅客を相乗りさせる「混乗便」をスタートした。国際航路に国内客を乗せるのは全国初の取り組み。船内191席のうち2階の26席をカーテンで区切り、国内客専用席にした。

 釜山発の初便には、比田勝港から25人が乗船。博多港に到着後、国際線ターミナルで行われた記念式典では、対馬市の比田勝尚喜市長が「混乗便就航による利便性や福祉の向上は計り知れない」と喜びを語り、JR九州高速船の水野正幸社長は「この航路をいかに育てていくか。ここからが本当のスタートだ」と呼び掛けた。

 混乗便は10月10日まで月6~7便ペースで就航。10月中旬から年末年始ごろまでのダイヤは8月上旬をめどに発表する。

   ◇    ◇

「移動時間半分」「島の活性化に」 高い乗船率維持に課題

 23日スタートした国内初の「混乗便」。比田勝港(長崎県対馬市)で第1便に乗り込んだ島民からは「移動時間が大幅に短縮され、島が活性化する」と歓迎する声が相次いだ。今後は路線維持へ向けた乗船率の確保などが課題になる。

 南北に長い対馬。比田勝港がある島北部の島民が博多港に向かう場合、従来は6時間近くかかるフェリーか、車で2時間程度かかる島南部の厳原港から高速船を使っていた。ビートルでの比田勝-博多の所要時間は約2時間10分で、大幅な時間短縮になる。

 午前10時すぎに比田勝港を出発、博多港に向かった第1便には、国内客分がほぼ満席となる島民ら25人が乗り込んだ。出発前の式典で対馬市の比田勝尚喜市長が「海の高速道路が完成したようなものだ」とあいさつ。比田勝港近くに住む主婦小関幸さん(27)は、子ども2人と大分県内の実家に行くため利用。「移動時間が半分くらいになる」と笑顔で話した。

 今後の航路維持、拡充には、高い乗船率を保つことが不可欠。運航は当面、月6~7便ペースで、使い勝手には課題が残る。

 混乗便の実現を求めていた旧上対馬町長の大浦一泰さん(84)が「博多からも混乗便を使ってもらい(韓国との)国境に近い島や韓国の文化に触れてほしい」と話すように、対馬側以外の利用者確保も重要になる。

 国内航路の運営主体となる九州郵船の竹永健二郎社長は「問題はここからだ。JR九州高速船、九州郵船、対馬市が三位一体で努力していかないといけない」と力を込めた。

=2018/07/24付 西日本新聞朝刊=

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