折尾駅支えた100年れんが 再整備で解体、九工大に展示 日本初の立体交差駅

九州工業大に展示されているJR折尾駅の立体交差橋梁の一部。トンネル内面に当たる左側はすすで黒っぽくなっている=7月、北九州市戸畑区
九州工業大に展示されているJR折尾駅の立体交差橋梁の一部。トンネル内面に当たる左側はすすで黒っぽくなっている=7月、北九州市戸畑区
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解体前の立体交差。鹿児島線(上)と筑豊線(下)が交わる=2016年12月
解体前の立体交差。鹿児島線(上)と筑豊線(下)が交わる=2016年12月
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 日本初の立体交差駅として知られるJR折尾駅(北九州市八幡西区)の再整備に伴い、解体された立体交差橋梁(きょうりょう)の一部を九州工業大(同市戸畑区)が譲り受けて学内に展示している。100年以上前に建設されたれんがの構造物で、当時の高い技術力がうかがえるという。石炭輸送にも重要な役割を果たしてきた駅は現在、ホームの高さをそろえる高架化が進む。大学関係者は「駅の歴史を体感してほしい」と話している。

 橋梁は上部を鹿児島線が通り、下部を筑豊線が走る。九工大に展示しているのは筑豊線がくぐり抜けるトンネル部分で、アーチ構造の地表付近に当たる。横約1・6メートル、奥行き約2メートルで、重さは6トンほど。

 正確な建設年は不明だが、筑豊線の前身の筑豊興業鉄道は1889(明治22)年に整備されており、同時期とみられる。北九州市によると、立体交差部分の解体が始まる2017年1月まで、現役の橋梁として使用された。

 同大工学部建設社会工学科の吉武哲信教授は、解体の様子を見て「折尾駅の歴史や当時の技術水準を学ぶ教材になる」と、市やJR九州に保存を打診。廃棄のため切断、分解されたものを譲り受け、6月下旬に学内に設置した。

 吉武教授によると、れんがとれんがの間にしっかりとモルタルを詰めた「丁寧な職人仕事」。蒸気機関車のすすなどにさらされたトンネル内面は黒ずんでいるが、外気に触れていない断面は「100年以上前のものとは思えないほど」の状態の良さ。吉武教授は「100年たっても残る技術に触れ、学生が北九州の近代化を学ぶきっかけになれば」と話している。展示している橋梁は、一般も見学できる。

=2018/07/25付 西日本新聞夕刊=

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