「東京五輪閉会式は8・9」高校生大使、平和への願い 被爆地の訴え世界へ

東京五輪閉会式でナガサキをアピールする呼び掛けを検討している高校生平和大使の山西咲和さん=長崎市
東京五輪閉会式でナガサキをアピールする呼び掛けを検討している高校生平和大使の山西咲和さん=長崎市
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山西咲和さんがSNSで「オリンピックの閉会式が8月9日って知ってましたか?」
山西咲和さんがSNSで「オリンピックの閉会式が8月9日って知ってましたか?」
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 長崎原爆から75年となる2020年8月9日は、東京五輪閉会式の日でもある。今月下旬、核兵器廃絶を願う署名をスイスの国連欧州本部に届ける高校生平和大使、山西咲和(さわ)さん(17)=長崎県諫早市=は、被爆地・ナガサキの訴えを世界にアピールする機会にしようと動き始めた。まずは一人から。いずれは世界中の人たちと思いを共に-。そう、思い描いて。

 「オリンピックの閉会式が8月9日って知ってましたか?」。5日夕、山西さんはこんな質問をツイッターで投げかけた。

 24時間で45人が投稿。フォロワー(読者)には平和活動に取り組む同世代が多い。それでも「はい」の回答は33%。浸透していないのがもどかしかった。

 自身は被爆3世。原爆の話になると口を閉ざしてきた祖母(86)が、初めて当時の様子を話してくれたのは今年6月のことだった。

 当時13歳。爆心地から約3キロの郵便局にいた。首がない赤ちゃんを抱きしめる女性がいた。女学校の友人の半分は亡くなった…。身近にあった壮絶な体験に、あらためて体が震えた。

 スポーツと平和の祭典の五輪。その閉会式で、一方的に原爆の被害や残酷さを強調してほしいわけではない。ただ「核兵器や戦争がない未来をつくろう」との願いを共有したい。少しずつでも、会員制交流サイト(SNS)を通じて「8・9が持つ意味」を発信していこうと思っている。

 2年後には大学生になる。進学希望先の東京で、五輪に訪れた世界中の人たちが平和を考えるワークショップを開こうと計画中。「被爆国の日本にしか伝えられない平和がある」。その場にいる自分の姿を想像している。

=2018/08/08付 西日本新聞朝刊=

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