甲子園最多68勝、智弁和歌山の高嶋監督が退任 長崎・五島出身

 高校野球の監督として歴代最多となる甲子園通算68勝の智弁和歌山・高嶋仁監督(72)は25日、和歌山市の同校で記者会見を行い、監督の退任を発表した。100回大会となった夏の甲子園を区切りに、24日付で名誉監督に就き、後任には1997年夏の優勝時に主将を務めた、元プロ野球阪神捕手の中谷仁氏(39)が就任した。

 智弁学園(奈良)と智弁和歌山で計48年間にわたって監督、コーチを務め、監督として甲子園に春夏合わせて38回出場。智弁和歌山では夏2回、春1回の全国制覇を果たした名将は「激しいノックが打てなくなった」と体力の衰えを最大の理由に挙げた。

 高嶋監督は、長崎県福江市(現五島市)の出身。「打ったら海へボールが飛んでいってしまうのと違うか、と言われたところですわ」という離島から海星高に進み、外野手として2度、甲子園に出場した。「あんなええところはない。これを生徒たちにも味わわせたい」。五島の製氷工場で働きながら大学進学を目指し、1浪の末に進学した日体大を経て智弁学園の監督に就任した。智弁和歌山へ移る際には、選手たちから「鬼が来る」とまで呼ばれたほど厳しく、そして情熱あふれる指導で「強打の智弁学園」と、全国にも響き渡るパワーあふれる強豪チームをつくり上げた。

 今春のセンバツで大阪桐蔭に敗れ準優勝。今夏は1回戦で近江に敗れ、そのリベンジがならず「悔いが残るのは、今売り出し中の大阪桐蔭を倒せなかったことですね」。実は今夏の決勝戦も、ひっそりと甲子園で観戦。「負けて、1週間くらいしたら、震えが出てくるんよ。甲子園に行きたいって“禁断症状”が出てきてね」と、最後まで甲子園愛を強調して、ほぼ半世紀にわたる監督生活にピリオドを打った。

=2018/08/25付 西日本新聞夕刊=

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